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力なくして平和なし

 日本各地で異例の大規模デモが起きている。国会前を埋め尽くし「集団的自衛権反対」を叫ぶ人々の様子を見ると、どこの国の光景かと思う▼デモの焦点である集団的自衛権の行使が可能になると、他国が攻撃された場合でも、日本に危害が及ぶと判断されれば自衛隊が出動できるようになる。クレイジーな独裁国家や反日国家に囲まれた危うい情勢を考慮した決断なのだろうが、国民の理解は見事に得られていない▼国民側に「軍が暴走するのでは」「政府が米国の言いなりになるのでは」という不信感があるのだろう。あらゆる危険の芽を摘み取り、現状維持したい気持ちも分かるが、「憲法改正=戦争」という短絡的な図式には違和感を覚える。「戦争できる=戦争する」ではないし、どんなに平和主義を主張した所で、火の粉が降りかかれば払うほかないのだから▼日本は米軍に基地を提供する代わり、国を守ってもらうギブアンドテイクの上に「平和」を構築してきた。残念ながら世界の基準は弱肉強食なので、米軍の保護がなければ泰平の世はなかったかもしれない。ブータンのような穏やかな国が不当に中国に領土を侵食されても、国際社会が見てみぬ振りを決め込むことからも、それがよく分かる▼来週12日に本紙主宰で、米カリフォルニア州で起きた慰安婦像建設反対運動の旗頭をつとめた目良浩一氏の講演を行なう。まさに今日本が直面している問題を扱う講演になるだろう。したたかな国ほどのし上がれる世界でどう生き残るのか。戦後に植え付けられた過剰な自虐意識を脱却し、独立国家としてのあり方を再考する機会になりそうだ。(阿)

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