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天国の前味を知った人々

 2000年10月、サンパウロ市パライゾ区の教会で、「平和・平安」を意味するヘブル語の「シャローム」という名のデイサービスが始まった。当初は火曜日だけだったが、需要に応じるために火、木の2回になり、現在まで続いている▼利用者は延べ135人で、平均年齢は90歳。100歳を超える利用者もいる会は、歌やゲーム、工作、昼食とその後の団らんなど、常に和やかな雰囲気で営まれている。教会を会場としている事もあり、奉仕者にはクリスチャンが多い。奉仕者は全員ボランティアで、70、80代の人も含まれている事が信頼感を高め、会の厚みを増す事にも繋がっている▼27日に援協福祉センターで開かれた15周年の感謝会では、発起人ら創設時からの世話人会メンバーに拍手が贈られたが、大半は今も現役の奉仕者だ。15年間、一つの事を続けるのは容易ではない。何かを始めるのは大変だが、継続するのはもっと難しいと考えるコラム子は、創設メンバーが現役で奉仕し、後継者を育て、祈りで支える姿に敬服するのみだ▼シャロームに参加し始めてから明るくなった人の様子や「皆に会うのが楽しみ」という声、利用者や奉仕者の人柄や生き様に触れて自分達が豊かにされる経験は他のものに代え難い。伴侶を亡くされた方が「天国で再会する時を楽しみにしている」と話す様子も、同会ならでは▼パライゾ(天国)で産声を上げたデイサービスで天国の前味である真のシャロームに触れる事が出来た人々が、15年間で135人という数字を多いと見るか少ないと見るかはそれぞれだが、真の平和や平安の一端を味わえる場がこれからも続くよう、願わされた事だった。(み)

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