ホーム | 特集 | 秋篠宮同妃両殿下ご来伯特集第2弾 | ヴェル・オ・ペーゾ市場=アマゾンに強いご関心もたれ=地元民とも気軽にご歓談
アマゾン河(奥)のすぐ脇のヴェル・オ・ペーゾ市場の中を進まれる殿下
アマゾン河(奥)のすぐ脇のヴェル・オ・ペーゾ市場の中を進まれる殿下

ヴェル・オ・ペーゾ市場=アマゾンに強いご関心もたれ=地元民とも気軽にご歓談

 礼宮時代に学習院大学で紀子さまと出会われたのは「自然文化研究会」と言われており、お二人とも自然環境や動物等に深い造詣を持たれている。そんな両殿下は4日午前8時過ぎから1時間近く、アマゾンの魚、農産物、食材、薬草類、民芸品などの店がぎっしりと軒を連ねるヴェル・オ・ペーゾ市場を視察された。重武装をした州警特別部隊が両殿下の前後をがっちりと警備するなか、お二人とも売り子のブラジル人にも気さくに話しかけられ、あちこちで写真を撮っておられた。


インジオ・ギガンチお尋ねに

インジオ・ジガンチについて熱心にメモをされる殿下

インジオ・ジガンチについて熱心にメモをされる殿下

 秋篠宮殿下は鶏類の店の前で立ち止まられ、熱心に写真を撮り、質問をされていた。
 店主のエジバウド・モレイラさん(46)は、「殿下が『この種の名前は何というのか?』とお尋ねになったので、『インジオ・ギカンチです』と答えた。さらに『食用にできるのか?』とも。僕は『もちろんです。この肉はとても美味しい。トゥクピー(ベレン地方独特の調味料)と一緒に煮込んだら、なお一層おいしい』と言ったら喜ばれていたようだ」と胸を張った。



マンジョッカにもご関心

マンジョッカの皮むきするパウロさんと話をされる紀子さま

マンジョッカの皮むきするパウロさんと話をされる紀子さま

 一方、紀子さまはマンジョッカにご興味を持たれたようで、皮むきをしていたパウロ・ロナルドさん(44)の様子を写真にお納めになった。妃殿下は「これがマンジョッカですか?」とお尋ねになると、パウロさんは「そうです。これからトゥクピー(調味料)やファリンニャ(粉)ができます」と答えた。

パウロさん

パウロさん

 さらに、彼が刃物を持つ手を動かしながら、手元に目をやらずに答えている様子を見て、紀子さまはご心配になったよう。パウロさんによれば「わざわざ妃殿下は『指を切らない様に気を付けて』と注意までされた。優しい方だね」と嬉しそうにやり取りを説明した。


蚊対策で会話盛り上がる=北伯の日本語教育近況

 北伯日本語普及センター(山瀬楢雄理事長)にJICAから派遣されているシニアボランティアの坂本麻子さん(45、京都府)は10月28日にサンパウロ市内のホテルで、他のJICA関係者ら60人と一緒にご接見を受けていた。
 殿下から赴任地を質問され、ベレンと答えると「暑い所で大変ですね」と応じられた。その場では「どう蚊を防ぐか」という話で盛り上がったという。他にも殿下は「子どもたちは何に興味をもっていますか」とお尋ねになり、坂本さんは「書道の人気が高いです。もちろんアニメも」と答えたという。
 同普及センターはマナウスなどのアマゾン河中流から下流全域を管轄しており、日本語学校9校には生徒1230人がいるという。うち半分の600人がマナウスで、全教師数68人中30人ほどがやはり同地に集中している。そこは日本の進出企業が多数進出している関係で、就職希望者がこぞって通っている。
 坂本さんは「生徒数は横ばいで、ほぼ7割を非日系の大人が占め、その比率はどんどん高まっている」との傾向を解説した。帰伯子弟などの日本で育った世代の日本語教師が出てきており、「同じ世代の目からみた生の日本を生徒に説明できる貴重な存在」と期待している。
 トメアスー移住地で日本語教師をする高松シヅさん(71、長崎県)は、「3年前から市役所が日本語教師を雇って、一般市民向けの無料の日本語講座をやっており、非日系ばかり120人も生徒がいる。とても貴重な取り組みだと思う。日本語をきっかけに、今後は英語やスペイン語も始めるという話も」と最近の変化を説明した。
 トメアスー文協の経営する日本語学校の生徒は50人で、「80年代の最盛期には100人を超えていた。段々減っている」という。坂本さんも高松さんも今後の課題に「後継者育成」を挙げた。


「こんな処に来て頂き有難い」

 ヴェル・オ・ペーゾ市場のすぐ近くでスーパーを経営する大磯則子さん(62、神奈川県)、茂樹さん(63、福井県)夫妻は、両殿下が来られると聞き、居てもたってもいられず歓迎にきた。
 則子さんは「私は1歳でベレンに来て、この市場で育ってきたようなもの。ここへ皇室が来られるなんて、最高に嬉しいです。だからここで待っていました」と心からの感謝を口にする。茂樹さんも「殿下は魚のところでも興味を持たれて、じっくり話を聞かれていた」という。
 則子さんは「普段はこの辺は泥棒ばっかり。観光客がカメラをもって歩いていたら、すぐに何人かに囲まれて盗られる。こんな所へ来ていただけるなんて本当に有難い。しかもお声までかけていただいた」と嬉しそうに天を仰ぐ。
 殿下から「ベレンはどうですか?」と聞かれたので、則子さんは「うちの店は何回も強盗にやられ、息子は足まで撃たれました。それさえ無ければ良い所なんですが――と答えましたら、殿下は黙って聞いておられました」という。移民ならではの生活実感のこもった逸話に、さぞや殿下も内心、驚かれたに違いない。


ベレンは日本食ブーム

 ベレン市内で夫や息子と共に日本食レストラン「みどり寿司」を経営する長石ジュリエッタ則子さんは、「ここ4、5年に日本食レストランが急に増えて、今では80軒もあるんですよ。もうシュラスカリアよりずっと多いです」と驚きの数字を挙げる。
 ブームの理由は「健康にいい」と思われているからだとか。「半分はテマケリア(手巻き寿司専門店)で、90%の経営者はブラジル人じゃないかしら」とみている。
 秋篠宮両殿下のベレン訪問には現地メディアが殺到し、3、4日はその話題で持ちきりだった。これで日本食ブーム、日本文化普及にさらに弾みがつきそうだ。

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