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正直者が馬鹿を見ぬ社会を

 16日早朝、連邦警察がラヴァ・ジャット作戦(LJ)第20弾を敢行した。今回は、ペルナンブコ州のアブレウ・エ・リーマ(AL)製油所建設や米国のパサデナ製油所買収などに関する契約絡みで、ペトロブラス社(PB)国際部元課長ら2人を逮捕、家宅捜索なども行われた▼パサデナ製油所の名前を聞くのは久々だが、検察庁によると、PBには国外に銀行口座があり、賄賂を受け取っていた職員が多数いる。今回逮捕された職員は、パサデナ製油所買収などで不正が起きるのを防ぐべき立場の人物だったという▼AL製油所建設を請け負った企業は最大1600%の水増し請求をして得た金を賄賂に回した事も判明。不正な金は他の製油所での契約の5倍動いたという。パサデナ買収でPBが受けた損失は7億9千万ドル余など、庶民には信じ難い金額も飛び出す。その度に、額に汗して1日中働いても家族を養えない人達がいるのにと考えてしまう▼LJ表面化後、ブラジル経済は一層低迷し、政治的な混乱とも相まって、景気後退や失業率上昇といった暗い報道が目立つ。景気後退が消費の停滞を招き、ブラジルの売上が低下したために世界的な業績が低下した企業も出ているし、子供の労働が増えたという統計も出た▼賄賂を受けて一時的に私腹を肥やした人々は財産の差し押さえなども受けているが、自分達の行った事が、庶民の生活や世界的な経済にも影響を与えているとの自覚はありやなしや。不況になると、銀行強盗や倉庫から貨物を盗んで売り捌く事件も増えるブラジルだが、正直者が馬鹿を見ず、生活も成り立つ社会は望めぬものか。本当はそれが国の為政の基礎の基礎のはずなのだが。(み)

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