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2016年6月16日の記事一覧

自伝小説=月のかけら=筑紫 橘郎=(20)

 矢野養鶏部長が「千年君どうかね、良いところだろう」と訊いた。「ハイ驚きました。随分広いですね。しかし、これだけ広けりゃ、気持ちが良いですね。でも、ちと気になりましたが、あのマモンは(果物)は切ってもよろしいですか。あれは鶏には外敵だと思いますが」「ほう―、良く気がついたな。さすが千年君だ。今から予防を始めるとは。我々も見込んだ ...

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下院議長にやっと引導?

 下院倫理委員会が14日、停職中のエドゥアルド・クーニャ下院議長の議席剥奪を良しとする意見書を11対9で承認した▼ペトロブラス関係の議会調査委員会で「秘密口座なぞない」と明言した後、スイスの秘密口座を使って大金を動かしていた事が知れて始まった審議は、8カ月かかってやっと前進した。クーニャ氏は憲政委員会に働きかけ、本会議前の時間延 ...

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ニッケイ俳壇(893)=富重久子 選

コチア  森川玲子

身を縮め朝の着替へや冬の入り

【ブラジルの歳時記では五、六、七月が冬季になっているので、六月はまさに冬季の真っ只中である。
 私もこの句の様に、朝は床から出て着替える時身を縮めて大急ぎで重たい衣服を身につけるが、それだけ年老いたのであろうかと思ったりする。季語の「冬の入り」が柔らかく一句を包むように詠まれている】

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ニッケイ歌壇(514)=上妻博彦 選

サンパウロ  梅崎嘉明

九州の地震たえぬを憂う吾に孫は「日本沈没するよ」
日本の地下は空洞なのだよとまことしやかな孫の言説
よそ国のこととて風説ほしいまま広がりて孫の言説自在
小説に「日本沈没」なりしこと思い出しつつうべないて聞く
いますぐに沈没はなし将来のことは気にせず今日を生きよう

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イグアスーの滝、2人旅(2)=サンパウロ 平間浩二

 暫く走ってから比較的大きなカーブに差し掛かった時、船長は突然、急カーブを切った。あわや転覆するのでは・・・と驚愕した瞬間、今度は全員が波しぶきを全身に浴び悲鳴を上げた。 船長は2、3度この恐怖のサービスを繰り返した。いよいよ滝の下に近づくにつれ、徐々に滝しぶきが強くなってきた。そして、滝の下に来ると同時に猛烈な息もつけぬほどの ...

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ニッケイ俳壇(892)=星野瞳 選

アリアンサ  新津稚鴎

虻が来て蝶来て天気葱坊主
着ぶくれて南風寒き国に老ゆ
行く秋や牧場に白き月残し
草山の草分けのぼる秋の風
雲の峰一日崩れず牧遅日

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