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池田さん日系初の会員に=科学芸術歴史文学アカデミー

2月28日の入会祝賀会の様子

2月28日の入会祝賀会の様子

 元連邦警察所長の池田マリオさんが先月28日、「ブラジル科学芸術歴史文学アカデミー(Abrasci – Academia Brasileira de Ciencias, Artes, Historia e Literatura)」に日系人として初入会を果たした。
 連邦直轄区裁判所(TKDFT)サイトに掲載された昨年2月28日に入会した同裁判所のアルノルド・ママーニョ・デ・アシス判事の記事よれば、1910年に歴史活動を開始した由緒ある団体だ。ブラジル社会の文化的価値や伝統を継承し、歴史を伝承するための活動をしており、主な会員としては、ブラジル文学アカデミー会員でもあるアフォンソ・アリノス・デ・メロ・フランコ氏(元外交官)、歴史家・文化人類学者として有名な故ルイス・ダ・カマラ・カスクード氏らが上げられる。
 同アカデミーの席は40人しかなく、会員が亡くなったときだけ空きが生まれ、それぞれの分野でブラジル社会に貢献した人が次席入会者に選ばれる。池田さんはその第18番の席に就いた。
 同日夜、入会祝賀会がサンパウロ市ジャルジン・パウリスタ区のホテルで開かれ、80人が参加した。池田さんは「自分一人のための会とは聞かされていなかったので驚いた」と話した。
 池田さんは連邦警察時代に、ミナス州の古い教会の歴史的な美術彫刻が盗難に遭い、サンパウロ州の故買商に流れた見つけ出し、本来の持ち主であるオウロ・プレットの教会に返還したことがある。「芸術品を守ったこの仕事が会員に選ばれた理由のよう」と説明した。
 入会に際し、自分で守護者を決めるしきたりがあり、〃移民の祖〃水野龍を選んだ。笠戸丸移民の子孫で、移民史研究者としての顔も合わせ持つ同氏らしい一面を覗かせた。その関係から、水野龍の息子で、池田さんと親交の深い龍三郎氏も祝福のため駆けつけた。

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