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ニッケイ新聞と日系=サンパウロ 吉野功努雄(てつお)

 ニッケイ新聞土曜日の『国際派日本人養成講座』を興味深く読んでおります。『日本文化』も読みましたし、親戚にも送りました。本や新聞は一人でも多くの人に廻して読むように務めております。幸い今ではXEROXの機械が沢山あり、良い記事はコピーして皆んなに配っております。
 『日本文化』は次世代の人が日系人であるという誇りと自信を持つ為に役立つと思います。この運動は全伯の日系団体でも大いにやるべきだと思っております。ニッケイ新聞も益々力を入れられん事を願っています。
 日系社会も少しゆるんで来ている様に感じます。私の7歳位の時は日伯の先生や青年から、皆よく殴られたものです。そこには師弟愛があり、可愛いがられもしました。普通は18歳位で親父の代理をやっており、長男長女は親を見る習慣でした。
 今は年を取った親が、いつまでも子の面倒を見る傾向にあります。若いメスチッソ等はもやしの様な感じで、出世など覚束ないように思います。
 『日本文化』の巻頭、『国柄は、非常の時に現れる~東日本大震災と「奉公」』を読んで、胸が痛みました。また、『井上毅 有徳国家をめざして』は、読むと心が引き締まります。さらにはドイツのアデナーワの話では、教育勅語は偉大な値打ちのあるものだと言って外語に訳し、額に入れて世界中の友人にプレゼントしたとあります。
 地方の日語校で教育勅語をポ語に訳して、今でも毎日生徒が朗読しているところがあると聞きます。私はまだポ語訳を読んだことがありませんが、日本語でなければ本当の意味や感じが伝わらないと思いますが、どうでしょうか?

日本文化

本紙土曜日に掲載している『国際派日本人養成講座』を、日本語とポルトガル語の両語で出版(サンパウロ青年図書館とニッケイ新聞の共同出版)。
紙面には掲載されていない話も収録。

 『日本文化』の中の、『アインシュタインの見た日本』での賛辞と警告。『おなごは大黒柱を支える大地』では、国家の元気・気風は母の感化による。妻の内助の功、おふくろの味は私も体験し、実感しています。
 また、『老舗企業の技術革新』で見る、老舗企業大国の日本。飛鳥時代(西暦578年)に設立された創業1400年の建築会社「金剛組」や、創業1300年の北陸の旅館等、千年を超えるものが少なくないことに驚きます。
 『日本移民の歴史コーナー』に掲載されている、邦人が最初に立てた平野植民地。マラリアによる余にも悲惨な歴史と、34歳でこの世を去った平野運平氏。私は子供の頃、両親から話を聞き知っておりました。聖市東部ベレンに、平野運平氏の銅像があると聞き、探しましたが見つかりませんでした。
 開拓、マラリアは私も経験済みです。開拓当時の若者は度胸と勇気があり、外人の荒くれ男相手の荒仕事でも一歩もひけを取らない豪毅不屈の精神がありました。流行歌などなく、軍歌と浪曲でした。大木を切り倒す“カーンカーン”という斧の音と、軍歌を歌う声が密林にこだまして、希望に燃えてがんばったものです。
 終わりに、『日本文化』が次世代に良い手本となる事を願い、ペンを置きます。

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