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「自分を高めるスポーツ」を応援する賞

 パウリスタ・スポーツ賞の受賞者ほぼ全員が、経歴書に「競技を通し多くのことを学んだ」「支えてくれる全ての人に感謝する」と書いている。現役を退いた後、多くが指導者になっている。競技を通して苦しい練習に耐えて忍耐、勤勉さを身につけ、それを後進に伝えているわけだ。
 柔道家ハラダ・ロベルトさんは挨拶で「幼稚園や小学校などの公教育に柔道を導入するよう働きかけたい。幼年期からの人格形成の一助にしたい」と語った。ルールを守るという教育を普及させ、国の質を高めていく目的だ。
 式後、受賞者たちに取材をすると「競技をする喜び」と「自身を律する謙虚さ」を口々に語った。このような人々から「勝負の喜び」は外れている。「自分を高めること」が武道の目的であり、「勝敗」ではないことがひしひしと感じられ、実に頼もしく思えた。(雪)

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