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オーリャ!

 「過去最大にして最良の選手団」というブラジルパラリンピック選手団。金メダル獲得数が二桁に達し、現在5位。一方、日本は金メダル数がゼロで、過去最大の選手団を送ったわりには順位が低く、「障害者支援が不足しているから」との批判の声を聞く。
 パラ視察のために現地を訪れた上智大学外国語学部の子安昭子教授も、「ブラジルでは身体障害者のためのインフラ設備が整っていないが、障害者や高齢者に親切に接する様子を見かける。その点、日本とは逆転しているように感じる」と印象を語る。
 一方で、ブラジル選手団285人のうち49人は、実は交通事故による障害者が占めるという。人口10万人あたりの交通事故死亡率は、日本が3・9人に対して、ブラジルは23・5人。世界1位とも言われる。
 ブラジルは交通事故が多発するために身体障害者が多く、それがパララリンピックのメダル数の原動力になっているなら、素直に喜べない数字だ。(航)

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