ホーム | コラム | 樹海 | 振り子が再び揺り返す時

振り子が再び揺り返す時

 2日夜~3日朝は地方選の結果を伝える報道が続いたが、州都での市長選の結果を見ていた長女が「決選に残ったのは右派ばかり。何が起きているの」と呟いた▼実際には、決選投票に進む候補全てが右派だという訳ではない。だが、サンパウロ市では常に決選投票に残っていた労働者党(PT)が敗れ、大サンパウロ市圏の主要拠点も軒並み失うなど、左派衰退は明らかだ。この事はとりもなおさず、右派市長の増加も意味する▼準二世の長女は選挙権こそ持っていないが、左か右かという判断は速い。大学生の次女共々、左派の教授や友人も多いから先の発言も頷ける。だが、新聞屋の立場で「PT政権下での景気後退やラヴァ・ジャットでの汚職摘発などで、左派に嫌気がさした人が増えたのでは」と言うと、「民主社会党(PSDB)や民主運動党(PMDB)も汚職に関わっていた」と返って来るからやり辛い▼だが、アルゼンチンの大統領がマクリ氏になった時に感じた「左派政権で固まっていた南米に新しい風が吹き始めた」との感覚は、ジウマ氏罷免やテメル新政権誕生に続く、地方選での左派衰退でより強くなった。時計の振り子が右から左、左から右と交互に揺り返すごとく、政治の世界も右から左、左から右と揺り返す時期があるからだ▼対立する考えや勢力は、互いの存在を認め、切磋琢磨する関係にある間は健全だ。だが、自分達の主張のみが正しく、他は排斥すべきと考え、自分達の牙城を守る事だけに固執し始めたら、汚れた水を吸い込み、腐臭を放つ台所のスポンジと同じになる。新たに選ばれた市長達が常に全体に目を向け、きれいな水を吸い込む力を保ち続けられる事を願うのみだ。(み)

image_print

こちらの記事もどうぞ