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音楽と書道が合作公演=新たな美的感覚に感嘆

公演を終えた金田さん、吉沢さん

公演を終えた金田さん、吉沢さん

 造形作家の吉沢太さん(52、埼玉)と音楽家の金田聖治さん(34、奈良)が主催する『奏音書詩』が先月29日、サンパウロ市リベルダーデのIMJプロドゥソンエス内スタジオで開催された。来場した約40人が、音と詩の神秘的な合作公演に魅了された。IMJプロドゥソンエス、コジロー出版、柿木幸枝ネウザ氏、久保ルシオさんの支援・協力。
 薄暗い会場内の客席前には縦3メートル、横6メートルの巨大なキャンバスが設置され、青いライトが当てられた。午後7時半、金田さんがキャンバスから少し離れた場所に座り、現代音楽作曲家、武満徹さんの「ノスタルジア」をギターで独奏し開幕した。
 続く楽曲「小さな空」でキャンバスが白く照らされ、吉沢さんが箒の柄で作られた長い筆をキャンバスに押し付け詩を書き始めた。「この地にて馳せし想いや春の空」と力強く詩を書き終えると同時に曲が終わり、観客から拍手が贈られた。
 同公演のコンセプトは日本文化の美的感覚、日本独特の「間」をブラジルで表現し、新たな芸術的精神世界の構築を目指すもの。公演を終えた2人は「基本的に日本の曲を使い、同じ趣向で公演を続けていきたい」と、今後の活動に意欲を見せた。
 来場した仲口ひとみさん(51、福島)は「音楽と書という初めて見る公演で少し驚いた。これからどう方向性を固めていくのか楽しみ」と感心した様子で語った。

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