ホーム | 日系社会ニュース | 傘寿を前に今もなお現役=テノール歌手 田中公道さん

傘寿を前に今もなお現役=テノール歌手 田中公道さん

島根県人会館創立60周年記念式典を祝い歌声を披露

島根県人会館創立60周年記念式典を祝い歌声を披露

 8月に来伯し19回目の伯国ツアーを開催したテノール歌手の田中公道さん(79、島根)が、今月16日に全日程を終えた。今回は全20公演を消化し、主に聖州内各地でその歌声を響かせた。
 田中さんにとってブラジルとの出会いは、10年前の島根県人会創立40周年式典。それ以来当地に惚れて、1998年から毎年のように訪れている。伯国でのイベント出演は272回、他の南米諸国でも295回と精力的に活動している。
 また来年は80歳の節目。「世界を駆ける80歳現役テノール歌手」という肩書きを引っさげ、日本各地でリサイタルやオペラ公演を控えている。8月初旬からは、また伯国に戻ってくる予定だ。
 来年は伯文化省主催オペラ歌手コンクールの審査員を務めて10年目、伯国訪問も20回目となる。「来年が区切りの一つと思っていましたが、健康であるならば移民110周年の18年も訪伯したい」と思い入れは熱い。
 来年の準備として今回の滞在中には、日本人移民縁の地にも訪れた。来年市制100周年を迎えるプレジデンテ・プルデンテ市では、記念リサイタルの打ち合わせをした際、近隣のアルヴァレス・マッシャード市を訪問。日本人墓地や廃校となった日本人学校、駅舎など訪ねた。
 ほか廃墟となった駅舎、鉄路を見にモジアナ線、ノロエステ線、パウリスタ線も回った。こうした訪問を通して地方の日系団体の現状、勝ち負け抗争での混乱などを肌で感じたという。
 次回のツアーではプ・プルデンテに加えア・マッシャード、マリリア、バストスなど聖州各地、亜国での公演も予定しており、約40回ほどの舞台に上がる。
 病気療養中だった18歳の時、ラジオで流れたイタリア人テノール歌手の輝かしい高音。田中さんはそれに憧れてテノール歌手になった。「今もその高音を歌い続けられる喜びを、各地で味わっています」と、若かりし頃の思いそのままに現役を続けている。

image_print

こちらの記事もどうぞ