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社会に生涯捧げた宮坂さん=慰霊ミサに200人余参集=「ブラジル農業を変えた25人」の一人

父が残した人生訓を紹介する宮坂リンコンさん

父が残した人生訓を紹介する宮坂リンコンさん

 7月25日に亡くなった宮坂四郎さんの遺族が20日、慰霊ミサをサンパウロ市の宮城県人会館で行い、200人以上が参列し、会場はいっぱいになった。舞台には故人の遺影が置かれ、花が飾られた。
 最初に故人を回想する40分のビデオが上映された。1924年に北海道で生まれ、8歳で渡伯。1951年にUSP農学部を卒業して大学院に進み、日本人として初めて農学博士になった。以後カンピーナス農学研究所(IAC)で大豆研究に専念し、その業績から英経済誌エコノミスト2010年8月号の特集「ブラジル農業を変えた25人」の一人に選ばれた。
 1954年に結婚し、子供5人に恵まれ、92歳で亡くなった。ポ語が堪能でブラジル人の友人が多く、会場にもたくさんの非日系が詰めかけた。
 ビデオの中で娘のメリーザさんは「父は死ぬ15分前まで、アンシェッタ島に罪もなく抑留された日本移民らを顕彰する一文を、日本語に翻訳することに没頭していた。何度も読み返してはやり直し、校正していた。父は信念の人で、サムライのような人生を送った。幸せな一生だったと思う」とのべた。
 妻カズコさんは映像の中で「夜11時頃、翻訳を終え、シャワーを浴びに行った。しばらくして見に行ったら、バンキーニョ(小さな椅子)に座ってシャワーを浴びたまま、何かを祈って突っ伏したようにしていた。名前を読んでも答えない。まさか、と信じられなかった。でも、やることを終えて、清浄な中で神に召されたかのように幸せな表情を浮かべていた」と涙を浮かべて語った。
 映像の後、舞台で長男リンコンさんが父から教わった人生の教訓や、新渡戸稲造著『武士道』などを紹介し、「父が休んでいる姿を見たことがなかった。死ぬ瞬間まで働いていた。社会に捧げた生涯だった」と締めくくった。
 遺族は会の後、「故人を偲ぶためにたくさんの親族、友人にご参列いただき、心から感謝します。皆さまからの親愛の情、連帯感の表明を誇りに思うと共に、皆様の生涯が愛と喜びに満ちたものであるようお祈りします」との感謝のメッセージを寄せた。

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