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レジストロ=入植百周年誌を刊行=半世紀振りの編纂に

記念誌の装丁

記念誌の装丁

 レジストロ日伯文化協会(福澤一興会長)は、「日本人植民地百周年誌―イグアッペ、レジストロ、セッテ・バーラス」を刊行した。先月21日、同会館で刊行式が催された。
 ブラジル最初の日本人植民地として開設されたイグアッペ植民地の百周年記念事業の一環として、刊行されたもの。百周年を迎えた13年に同文協に編纂委員会が発足。以来、編纂作業はおよそ3年に及んだ。
 編纂委員長を務めた清水ルーベンスさんによれば、記念誌編纂は入植20周年、50周年以来、およそ半世紀振り。
 「かつて茶産業で栄えたが、90年以降、急激に衰退した。そんななか、資金難に陥った時期もあったが、なんとか灯篭流しを盛り立てるなど、一丸となって乗越えてきた」と振返り、その半世紀の歴史が新たに加えられた形だ。
 記念誌には、日本移民史、日系社会が地域社会に与えた影響、伝統文化、日系団体紹介ほか、日系社会の発展に貢献した功労者による証言や、入植者名簿などが、豊富な写真とともに収められている。
 清水さんは「50トンの重荷を背負っていたかのようだった。何とか歴史を残していかなければいけないという強い思いがあった」と振返り、「戦時中には日系社会を守り、友好関係の深いブラジル人からも寄稿文が多く寄せてくれた。皆がよく手伝ってくれ、完成できて嬉しい」と安堵した様子で語った。
 記念誌刊行は、宮坂国人財団の協力で実現。320頁。ポ語のみ。初版500部刊行。問合せは、同文協(13・3822・2865)まで。

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