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聖州議会=ナカダ・ネルソン氏に名誉功労章=日系福祉団体を裏で支えた功労者

受章に喜びを見せたネルソン氏

受章に喜びを見せたネルソン氏

 青空市場でレモン販売の商人からはじめ、果物や野菜を中心とした小売店7店舗を聖州で展開するNKグループの経営者に――。ゼロから事業を起し成功する一方で、日系福祉4団体を14年間に及び匿名で支援してきたナカダ・キヨシ・ネルソン氏(70、二世)の功績に対し、1日、聖州議会本会議場で、名誉功労章が授与された。
 聖州西部の田舎町、ルセーリアの日系農家に生まれたネルソン氏。15歳の時に出聖し、聖市南部の青空市場でレモン販売商人から全てが始まった。まだ街灯がともる早朝、トラックで運搬されてきた商品の荷を卸し、屋台を組み立てるのが一日の始まりだった。
 「内気な性格で、販売員としてはダメだった。でも、丁寧な接客とレモンの質にこだわり、常連客が増えていった」と往時を振返る。こつこつと努力を積み重ね、18歳の時、初めて単独で屋台を持つことができた。
 屋台を運営する上で行っていたのが、同業者と共同運営だった。当時は、まだ一般的な方式ではなく、同業者との信頼関係を築くことも不可欠だった。そんな経営者としての手腕もひかり、種々の果物を扱う屋台へと拡大、30の屋台を持つまでに成長した。
 「一番売行きがいいのがオレンジ。色々な果実を取り扱った。でも、もとの常連客のため、レモンをなくすことだけはなかった」という。
 その後、均一価格による量売りという市場のシステムを採用した小売店をサンベルナルド・ド・カンポ市に第一号店として開店。そのシステムが、「サコラン」として知られるようになる。
 「品質の良いものを、手頃な価格で販売するのがモットー。市場のように顧客に合わせた接客を尽くし、従業員教育を徹底している」のが特徴といい、市場に引けを取らない価格設定と高品質が人気の秘訣だ。
 その極意を聞くと、大量に買付けることで、仕入価格を抑制し、価格を低く設定できるのだという。さらに、鮮度や高品質を維持するため、少しでも時間の経ったものは、ジュースとして加工したり、慈善団体に寄付するなどの対策を講じているのだという。
 「無一文からはじめ、もう自分は十分だというところまできた時、福祉団体のために何か出来ることがないだろうかと考えた。そこで福祉団体の慈善バザーで、果物を販売する屋台を組ませてもらった。それが唯一自分に出来ることだった」とネルソン氏は語る。
 その他、希望の家、こどもの園、憩の園、援協傘下のやすらぎホームの日系福祉4団体の慈善夕食会では、14年間に及び、自動車を贈呈してきた。
 名誉功労章を受章し、挨拶に立ったネルソン氏は、自身の偉業については一言も語らず、周囲に対する感謝をひたすら滲す言葉を並べた。西本エリオ聖州議は「ネルソン氏は博愛精神を持った優れた人物。非常に慎ましやかで、長年に渡ってこれほどの援助をしてきたのに、今まで一切名前を全く明かさなかった」と手放しで賞賛した。
 式典では、議会の2階席まで、友人や関係者でほぼ満席となり、歌手・ロベルト・カルロスのアミーゴを全員で合唱する一幕も。式典後は、州議会内食堂に場所を移し、夜が更けるまで祝福された。

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