サンパウロ市では、6月14日から7月19日までの36日間、雨らしい雨が降らず、同市の非常事態センター(CGE)が発足した1995年以降、5番目の雨なし記録となった。
少雨と乾燥が呼吸器疾患などを招く事は周知の事実だが、ここ数日間は大気の湿度が低い状態が続くと見られており、史上4番目の雨なし記録である38日を上回る事は間違いない。
CGE設置以来、最長の雨なし記録は、2012年7月19日~9月18日の62日間だ。2位は2010年の6月17日~8月6日の52日間で、3位は2008年6月23日~8月2日の41日間、4位は2007年7月26日~9月1日の38日間だ。
去年から今年にかけての夏は雨が少なかった上に、秋も平年の降水量を下回るなど、今回の少雨は長期化する様相を見せている。
CGEによると、今年上半期のサンパウロ市での降水量は527・3ミリで、平年の819・3ミリと比べると、35・7%も少なかった。特に5月以降の少雨は際立ち、この頃から、水不足や火力発電多用の必要、それに伴う電気料金の追加徴収などが言われ始めた。
CGEのトマス・ガルシア所長によると、サンパウロ市での少雨は、乾燥した大気が居座り、寒冷前線の接近を妨げている事が原因だという。ガルシア氏は、乾燥状態がより長期化するかを判断するにはもう少し観測を重ねる事が必要としているが、来週も気温は下がっても、湿度はあまり上がらないと見ている。
8月はさらに雨が少ないのが常のため、少なくとも、大気が乾燥した状態はしばらく続く。
サンパウロ市内では、日中の湿度がいずれの地区でも30%を切っており、日中は屋外での活動を控える、部屋の中に水を入れた洗面器や濡れタオルなどを置く、水分を十分に取るなどの注意が必要だ。大気が乾燥して鼻の中が乾くと、ウイルスや埃が気管支や肺の中まで入って来易くなるので、抵抗力の小さな子供や高齢者は特別な注意も必要だ。
少雨乾燥は全国的な傾向で、ミナス・ジェライス州のフルナス水力発電所のダム貯水量は31・89%(昨年の7月19日は40・06%、以下同)、サンパウロ州のカンタレイラ水系の貯水量は41・3%(64・6%)、セアラー州カスタニャンの貯水ダムの貯水量は7・6%(5・60%)だった。(19日付G1サイトなどより)