「平成30年度農業高校生海外実習派遣団」一行(団長=中島充雅教諭・岐阜県立加茂農林高校)12人が2日に来社し、前日までのピニャール移住地で農業実習の成果や感想を報告した。
一行は7月22日に日本を出発し、アメリカで5日間研修し、28日にサンパウロ市到着。翌29日(日)にブラジル岐阜県人会80周年・同農業高校生実習派遣事業40周年の記念式典に参加し、同制度をテーマにした寸劇を披露し、喝采を浴びた。
30日からピニャール移住地で、山下農場、山田農場、古庄農場、徳久農場、貴田農場などにホームステイしながら農業実習をした。吉村沙城さん(県立恵那農業高校)は「山田農場でビワの袋がけや柿の剪定をした。授業で聞いていた作業を実際に体験できて面白かった」とのべた。
また徳久農場にいった砂田果倫さん(岐阜農林高校)は「日本では赤土は農業に適していないと一般に言われているので、ブラジルの赤土は養分が豊富だと聞き衝撃を受けた。熱帯果実のバナナと日本の柿が一緒に植わっている姿にも驚いた」と語った。
貴田農場でドラゴンフルーツの鉢上げなどを体験した中井義仁さんは「このフルーツを日本で栽培しているところを見たことがない。それがズラーッと路地に並んでいるのが壮観だった」とのこと。
林克之さん(県立加茂農林高校)は「日本ではもう作られていない品種『タイジュ』がまだ普通に生産されているのにショックを受けた。しかもこの渋柿をエチレンガスで渋抜きするやり方を、こちらでは生産者みなが知っているのに驚いた」という。
この柿は日本では手間のかかる「干し柿」として高級品扱いで、一部の農家でしか生産されていないという。それが、こちらでは「渋抜きして生で食べられている」ことに驚いたようだ。
中島団長は「ピニャールではみんなが拓魂の精神の片鱗を感じたようだ」との手応えを感じた。一行は3日にドイツへ移動し、8日からのオランダを経て12日に帰国する予定。
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