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文協評議員会=コロナ禍越えて活動再開へ=日伯両政府の支援のおかげで

あいさつする山下ジョルジ評議員会長

あいさつする山下ジョルジ評議員会長

 日伯両政府の支援のおかげでコロナ禍越えて事業再開へ――ブラジル日本文化福祉協会(石川レナト会長)は11日午前9時から、第159回定例評議員会をオンラインで開催した。当日の出席者は28人、委任状4通だった。文協による2021年度事業報告と決算報告、22年度事業計画と予算計画が発表され、その場で承認された。
 最初に、文協の評議員会を長年にわたって支え、コロナ禍中に亡くなった杉尾憲一郎氏、下本八郎氏、横田パウロ氏と、ブラジル社会を代表する著名建築家の大竹ルイ氏ら4人の他、先人に黙とうが捧げられた。
 山下ジョルジ評議員会長は「日系社会を維持していくためには、経験のある年配者と若物がつながり、リーダーを若い世代にバトンタッチしていかなければなりません」と冒頭であいさつした。

あいさつする石川レナト文協会長

あいさつする石川レナト文協会長

 文協は今年、コロナ明けに向けた本格的な活動を再開させた。事業報告では今年7月に最初の対面イベントとなった国士館スポーツセンターの花見に、約5千人と1500台の車が訪れたことを報告。次いでイビラプエラ公園の日本館では、高齢者や身体障害者などにも快適に施設を利用できるように工事を実施し、再開した10月には8235人、11月には8904人という予想以上の来館者数を記録したと報告された。
 日本移民史料館にも来館者が訪れており、対面では10月に2082人が訪問、バーチャル博物館は12月8日までに5万9800回の視聴回数を記録した。
 石川会長は「私たちは楽観的な気持ちで活動再開の瞬間を生きています」と述べた。史料館と日本館には、ブラジル政府やJICAと外務省を通じた日本からの資金調達を目指し、両国政府との関係を強化した。最近はJICAから高齢者向けの活動に焦点を当てた助成金を受けている。
 開催中の「もどりたいプロジェクト」に対しても、日本国外務省の「海外在住邦人・日系人支援プログラム」の一環として助成金を受け取った。
 他にも宮坂国人財団、日本企業、日系企業からプロナッキ(Pronac)を通すか直接の支援により、文協の様々な活動を再開することができたと強調された。

12月11日に開催されたオンラインでの評議員会

12月11日に開催されたオンラインでの評議員会

 22年度の事業計画では「若いリーダーを中心とする活動」「対面イベントの段階的な再開」「聖州内各地および他州の組織との関係改善」「事業体の管理システムの改善」「会員、スポンサー、パートナー、一般の人々とのコミュニケーションの改善」「会員(個人および企業)を増やす」の7つのガイドラインが示された。
 22年には42のイベントが予定されており、新型コロナの感染状況をふまえながら、対面とオンラインを併用して実施していく予定。
 会計報告では21年度は9月までの決算で7万6千レアルの赤字となっているが、年末から年明けにかけて収益が加算され、結果としてプラスマイナスゼロか黒字になる見込み。22年度の予算計画では、通常経費と定期的なスポンサー収入、イベント収入の3本柱で編成されており、活動計画のイベント関連の収入等と合わせて22年度末には11万5千レアルの黒字が想定されている。
 山下評議員会長は「コロナ禍の困難に直面しながらも、素晴らしい仕事を継続してくださった皆様の努力に感謝いたします」と締めくくった。

 

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