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全国で女性殺害事件相次ぐ=MDP法12周年目前に5件

法制定のきっかけとなったマリア・ダ・ペーニャさん。何年も家庭内暴力で苦しんだ末、夫の銃弾で下半身不随となった(Fabio Rodrigues Pozzebom/Arquivo/Agência Brasil)

法制定のきっかけとなったマリア・ダ・ペーニャさん。何年も家庭内暴力で苦しんだ末、夫の銃弾で下半身不随となった(Fabio Rodrigues Pozzebom/Arquivo/Agência Brasil)

 家庭内暴力を防ぎ、被害者を守る事を目的とするマリア・ダ・ペーニャ法制定から7日で丸12年となったが、この日を目前にした48時間に女性が夫などに殺される事件が少なくとも5件起きたと6、7日付現地紙、サイトが報じた。
 連邦直轄区では5日、マリリア・ジャーネ・デ・ソウザさんが、夫のエジウソン・ジャヌアリオ・デ・ソウト容疑者に射殺された。また、カルラ・グラジエレ・ザンドナさんは6日、3階の自宅から仰向けに落ちて死亡。夫のジョナス・ザンドナ容疑者はこれまでも家庭内暴力で複数回訴えられており、妻の腕にはケガの跡もあった。
 連邦直轄区では今年、女性殺害事件が18件発生。7月14日には、ジャナイナ・ロマン・ルシオさんが前夫から5カ所を刺されて死亡している。
 リオ市では6日朝、妊娠2カ月の女性が殺された上、現場に向かう警官が武装した犯罪者集団に銃撃される事件が発生。容疑者の夫はその後に警察に出頭した。また、リオ市警は7日、女性に対する家庭内暴力や性的暴行の犯人を一斉に告発。同州内14の女性専門の警察署が対応した事件で拘留された男性は、昼過ぎまでで27人に上っている。
 サンタカタリーナ州ジャラグア・ド・スルでは、妊娠3カ月のアンドレア・カンポス・アラウージョさんの遺体が、毛布に包まれた状態で、夫のマルセロ・クロイン容疑者の車の中から見つかった。夫によると、口論後に妻がナイフを持ち出し、脅したりし始めたため、自己防衛の意味で殴ったら倒れ、後頭部を床に強打したという。
 ペルナンブコ州レシフェでは6日、福音派教会の女性牧師が射殺されて、元夫が現行犯逮捕される事件も起きた。
 最近は、7月22日にパラナ州グアラプアヴァで起きた弁護士のタチアネ・スピツネルさんが4階のアパートから墜落死した事件の報道も続いていた。夫のルイス・フェリッペ・マンヴァリエル容疑者は、彼女の遺体を自宅まで運び上げた後、車で逃走したが、事故を起こし、同日中に捕まった。遺体には首を絞められたと思われる痕跡があり、車中や駐車場、エレベーター内でも暴行を繰り返した様子が防犯カメラに残っていた。夫は陪審裁判にかけられる。
 また、殺害事件そのものではないが、パラナ州アプカラーナの女性専門署では1日平均15件の告発を受け付けている。また、アマパー州では女性殺害事件として扱われる事件は、今年も1件と未遂3件のように、決して多くないが、家庭内暴力を告発する例や被害者の保護を要請する例は714件など、家庭内暴力や女性への性的暴行などの事件は後を絶たない。

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