ホーム | ブラジル国内ニュース | 《リオデジャネイロ市》建物倒壊の犠牲者増える=死者11人、不明者も13人

《リオデジャネイロ市》建物倒壊の犠牲者増える=死者11人、不明者も13人

親族に関する新たな情報に泣き崩れる女性と慰める男性(Tânia Rêgo/Agência Brasil)

親族に関する新たな情報に泣き崩れる女性と慰める男性(Tânia Rêgo/Agência Brasil)

 【既報関連】リオ市西部ムゼマで12日の朝、発生した2棟の建物倒壊事故の犠牲者が11人に増えたと15日付現地紙サイトが報じた。
 8日夜の豪雨やその後の雨、不法建築が招いた悲劇の犠牲者は15日朝回収された遺体を含めて11人、行方不明者も少なくとも13人いる。
 消防や防災局職員らによる捜索・救助活動は、雨が戻った14日以降も続けられており、地元の住民達も、休憩所や軽食の提供などで、不明者の家族を支援している。
 14日夜、約3時間かけて遺体が回収されたマリア・アブレウ氏は10人目の犠牲者で、娘のエリカ氏は事故当日、「母の寝室があった辺りから、助けを求める声が聞こえる」と言っていた。
 倒壊した建物は、コンドミニアム「フィゲイラス・ド・イタニャンガ」の一部だ。市役所は12日、倒壊した2棟の両隣などを含む3棟の取り壊しを決めた。また、同コンドミニアム内の13棟は、原則、立ち入り禁止で、これらの棟に住んでいる住民は必要な物を持ち出す際に、短時間の立ち入りが許可される。
 100人超の消防士による救出作業には、警察犬、無人飛行機、ヘリコプターも使われている。
 14日には12日に遺体が回収された犠牲者の一部の葬儀も行われた。消防が救出した19人中、10人は息があったが、内2人は病院で息を引き取った。
 ムゼマ地区は環境保護区で、2階建て以下の一軒家の建築しか認められていなかったが、現在はミリシア(犯罪者の民兵組織)の支配下にあり、約2年前から、4階建て以上の建物が次々に建築され始めた。これらの建物は市役所の認可や安全証明さえない建物が大半で、2部屋で50平米のアパートが平均6万レアルなど、市場価格より廉価で、4分の1~半額を頭金、残りも金利なしの分割などの破格条件で販売されていた。
 倒壊した2棟は、昨年末と今年2月に市街化局と防災局から使用差し止めと取り壊し要請が出たが、裁判所の暫定令で取り壊しが禁じられた。コンドミニアム内の別棟の取り壊し禁止令撤廃要請は、2棟倒壊の2日前に裁判所が棄却していた。
 それだけに、今回の事故の事を聞き、不安に駆られ、州外から飛んできたという、購入契約者もいるという。

image_print