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県連故郷巡りカリフォルニア=150周年、満砂那(マンザナー)に平和を祈る=《20》

最初の鹿児島県人は加州ワイン王

 

「親善園」という日本庭園

「親善園」という日本庭園

 4月14日(日)、ベーカーズフィールドのヒルトン経営ダブルツリーホテルを朝8時にバスは発ち、2時間ほど北上してフレズノの町に着く。州南部のロスと、北部のサンフランシスコの中間にある町で、大都市圏人口90万人もある。その中心地にある公園内にある「親善園」という日本庭園を1時間ほど観光した。
 セントラル・ヴァレーという内陸部平地の農業地帯にあり、古くからの日本移民が活躍してきた場所だ。高知県高知市とは1965年から姉妹都市関係を続け、その関係でこの公園が作られた。

「親善園」の中の盆栽展示場

「親善園」の中の盆栽展示場

 実に本格的な日本庭園で、池には太鼓橋がかかって立派な錦鯉が泳ぎ、本格的な茶室や石灯籠、盆栽の展示場まであった。イビラプエラの日本館の方が建物は立派だが、こちらはよりも広く、手入れもしっかりされている感じだ。結婚式用の写真を撮影するカップルの姿が数組も見られ、一目で市民に愛されている場所だと分かる。
    ☆
 アウトレットショッピングを通って、夕方にはサンフランシスコ(以下「桑港」と表記)に到着。
 ロスからだと380キロあり、車で約6時間かかり、聖市からリオやクリチーバへ行く感覚に近い。桑港の人口は77万人程度だが、都市圏では400万人を越え、シリコンバレーや有名なカリフォルニア大学バークレー校などが近くにある。世界の金融センターの一角を担い、西海岸では1位、米国全体でもニューヨークに次いで2位だという経済の都だ。羅府と桑港が州経済の両輪という感じだ。
 桑港の中華料理店「堅記」で夕食となり、現地の北カリフォルニア県人会メンバー10人と交流会をもった。内訳は鹿児島県人会3人、福岡県人会1人、沖縄県人会6人。
 さっそく鹿児島県人会の木村耕蔵会長に話を聞くと、県人移住の最初は薩摩藩の長澤鼎(かなえ)で、なんと1875年にサンフランシスコ郊外、サンタローザへ移住し、カリフォルニア・ワイン発展に大きな貢献をしたという。
 まだ江戸時代の慶応3年、大政奉還の年に加州へ移住とはどんな経歴の人物なのか。

『実業之日本』6巻17号(1903)より長澤鼎(実業之日本社 [Public domain])

『実業之日本』6巻17号(1903)より長澤鼎(実業之日本社 [Public domain])

 調べてみると長澤は江戸時代の薩摩藩士で、1865年(慶応元年)、13歳の時に藩命でイギリスに留学した。その後に渡米して加州に渡り「カリフォルニアのワイン王」「バロン・ナガサワ」と呼ばれた人物だという。今連載第8回「農業界における日系人の貢献」には、実は続きがあった訳だ。(つづく、深沢正雪記者)

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