ブラジル日本移民111周年を迎えるに当たりご挨拶申し上げます。
本年は,令和になって初めての移民の日です。先人の方々の筆舌に尽くしがたい御労苦を偲び,その方々のおかげで今日のブラジルにおける日系社会の繁栄があることを改めて認識し,深い敬意の念を表明したいと思います。
ブラジルで勤務・生活して強く感じるのは,ブラジル人の日本・日本人に対する強い信頼感です。こうした信頼感を勝ち得たのも,先人の方々が規律・勤勉・正直・親切等をブラジル社会に於いて正に体現し,ブラジル社会に貢献されてこられたからであると考えております。
安倍総理が2014年8月にブラジルを訪問されてから日本政府の日系社会への支援・連携が強化されており,サンパウロ総領事館としても,こうした方針に基づき,活動を強化することとしております。特に,若手日系人の日系社会活動への参画,地方日系社会の活性化を重視していきたいと考えております。
昨年は眞子内親王殿下ご訪問等移住110周年においてそれをお祝いする多くの行事が行われました。こうした行事を通じて,ブラジル日系社会の活動が益々活発になり,若い日系人の方々が日系人としてのアイデンティティに関心を持ち,誇りに思う方が増えているのではないかと感じております。
日本では天皇陛下が即位され,新しい令和の時代が始まりました。ブラジルでは,本年1月より新しいボルソナーロ政権が発足しました。両国において新しい時代が始まっていますが,新しい時代においても両国が引き続き友好的な関係を維持・強化できるよう私としても尽力したいと考えております。
日本は特に地方で若者が減って人口が減少し,高齢者の比率が増えるなど超高齢社会を迎えております。こうした社会は,国内の需要が減るとともに,人手不足になるといった深刻な経済の問題に直面します。更に,高齢者を狙った犯罪の増加,高齢者が関わる交通事故の問題等の社会的な問題も惹起します。
こうした中でも,日本は困難を乗り越えて更に成長していきます。また,来年はいよいよ東京オリンピック・パラリンピックが開催され,更に,2025年には大阪・関西万博も開催される等,日本はこれからも世界の注目を浴びることになります。
今後とも,ブラジル日系社会の皆様のご支援とご理解を賜れば幸いです。
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