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ポルタ・ドス・フンドス=人気コメディ・グループの映画がネットフリックスから締め出される=キリストの表現めぐり「検閲か」と物議

「キリスト最初の誘惑」のポスター(ツイッターより)

 12月の公開当初から物議を醸していた、コメディ・グループ「ポルタ・ドス・フンドス」のネットフリックス配信映画「キリスト 最初の誘惑」が8日、リオ地裁の判断でネットフリックスから削除されることになった。これをめぐり、「検閲行為だ」との声があがり、国際的な問題にも発展している。
 「ポルタ・ドス・フンドス」は、2012年からユーチューブでショート・コントの動画投稿をはじめて人気を得、グレゴリオ・ドュヴィディエ、ファビオ・ポルシャなどの人気俳優を輩出した。国内での芸能関係の賞の受賞も多い。
 また、リーダー格のひとりのドュヴィディエは、現在のブラジル芸能界きっての政治論客で、自分が司会する政治風刺番組などでも歯に衣着せぬ発言を行い、話題となっていた。
 今回の映画「キリスト 最初の誘惑」は、ネットフリックス・ブラジルのクリスマス特番として製作されたものだが、12月3日の公開前に、ドュヴィディエ扮するキリストが同性愛者、そしてマリア役の女優が大麻を吸う設定であることが報じられ、福音派のクリスチャンの間で強い反発を招いた。彼らはネットフリックスに対して取り下げを求め、230万人分の署名を集めた。
 だが、この特番は、ネットフリックスで視聴できるブラジル製作の作品の中では最も視聴された作品となり、2020年も引き続き視聴できることになっていた。
 だが、12月24日にリオ市にあるポルタ・ドス・フンドスの事務所に火炎瓶が投げつけられるという事件が起きた。これは「暴力による検閲」として強い反発を招いた。主犯の極右主義者エドゥアルド・ファウジ容疑者はロシアに国外逃亡し、現在、国際警察に指名手配中だ。
 さらに、8日、リオ地裁はネットフリックスに対し、「最初の誘惑」を配信から取り外すよう命令を下した。これも物議を醸している。
 ネットフリックスの番組はブラジル国内だけでなく、配信契約いかんによっては全世界配信が可能だ。そのため、この配信差し止めのニュースは「ファースト・テンプテーション・オブ・クライスト」のタイトルで配信されているアメリカなどの英語圏でも報道され、騒ぎが大きくなっている。
 さらに、今回配信差し止めを命じたリオ地裁の判事ベネジクト・アビカイール氏が、2017年に現大統領のジャイール・ボウソナロ氏が、下院議員だった2011年にテレビ番組上で行った同性愛者差別発言での裁判で無罪票を投じた人物との報道があり、騒ぎを悪化させている。
 問題になったボウソナロ氏の発言は、「あなたの子供が同性愛者だったらどうするか」との質問に、「息子たちには良い教育を施しているから、そのような心配はない」と答えたものだった。
 また、ロシアに逃亡中の襲撃犯ファウジ容疑者は、ネット上で今回のリオ地裁の判断を祝うメッセージを送っている。
 ポルタ・ドス・フンドス側は9日、フェイスブックの公式サイトで「いかなる検閲や暴力行為も許さない」と声明を発表。断固として戦う意向を見せている。(2019年12月18日付コレイオ24オーラス、1月9日付イストエー誌サイトなどより)

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