ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》上院コロナ禍CPI ブランコ氏、賄賂交渉を否定も=108回の疑惑通話で問われる

《ブラジル》上院コロナ禍CPI ブランコ氏、賄賂交渉を否定も=108回の疑惑通話で問われる

ブランコ氏(Jefferson Rudy)

 上院の議会調査委員会(CPI)で4日、保健省のロジスティック課元ディレクターで退役陸軍中佐でもあるマルセロ・ブランコ氏が証言を行った。同氏はダヴァティ社とのワクチン交渉で「1回分につき1ドル」の賄賂を求めたことを否定したが、委員たちからこれまでに掴んだ証拠を突きつけられ、反論にあう場面が繰り返された。4、5日付現地紙、サイトが報じている。
 ブランコ氏は1月にロジスティック課を退いているが、2月25日、ブラジリアのレストランでダヴァティ社のブラジル委託販売員のパウロ・ルイス・ドミンゲッティ氏が、ロジスティック課主任のロベルト・ジアス氏と4千万回分のアストラゼネカ社製ワクチンの契約交渉を行っていた際に同席したことや、同社のブラジル責任者のクリスチアーノ・カルヴァーリョ氏が「同課の賄賂交渉はブランコ氏からはじまる」と語っていたことなどから召喚対象となっていた。
 ブランコ氏はこの日の証言で、「賄賂の交渉など行っていない」として、疑惑を否定した。
 だが、ブランコ氏はこの後、CPIの委員から質問攻めにあった。委員たちは既に、同氏がわずか30日間に、ドミンゲッティ氏の携帯電話に自分から64回、ドミンゲッティ氏の方からも44回の計108回の通話を行った形跡があることを突き止めていたからだ。

 これらの電話の内容について尋ねられたブランコ氏は、「それは連邦政府のためでなく、民間機関に販売するためのワクチン交渉だ」と弁明した。
 この返答に対してオマール・アジス委員長は、「もしそうならば、あなたは当委員会に報告を怠った会話がかなりあるということだ」と皮肉られた。
 CNNブラジルはこの証言の後、独自入手したドミンゲッティ氏とブランコ氏の会話内容を紹介し、ブランコ氏がドミンゲッティ氏に対し、「ワクチン交渉は直接自分を通して行うように」と命じていたことを明らかにした。ドミンゲッティ氏の携帯電話は7月1日に同氏がCPIで証言を行った際、ルイス・ミランダ下議を不正に陥れようとしたとして没収された。また、その後には、CPIが出した情報開示要請に基づくものも含めた通話内容が公開されていた。