ホーム | 日系社会ニュース | JHSP=『シンビオシス:生きられた島』=アートと環境が一体化する犬島

JHSP=『シンビオシス:生きられた島』=アートと環境が一体化する犬島

島各所にあるアートプロジェクト関連施設を示す模型

島各所にあるアートプロジェクト関連施設を示す模型

 サンパウロ市のジャパン・ハウス(JH、エリック・アレシャンドレ・クルッグ館長)は11月30日から2月6日まで『シンビオシス : 生きられた島』展を2階の展示スペースで開催中だ。入場無料。
 同展は瀬戸内海に位置する離島『犬島』でアートや環境、住民との交流を通して地域の復興を目指すアートプロジェクトを紹介する巡回企画展。同展はサンパウロ市の後、ロンドンやロサンゼルスの拠点でも開催予定だ。
 同展は金沢21世紀美術館館長の長谷川祐子氏をキュレーターに迎え、2010年プリツカー賞受賞をしたSANAA(Sejima and Nishizawa and Associates)設立者の一人でもある妹島和世氏が展示デザインを手がける。
 同展の題『シンビオシス(共生)』は、過去と現在、自然と人間の営み、住民と来訪者といった相対するものが犬島という独特な地域で育む相互扶助関係を指すという。妹島氏は「このプロジェクトは犬島の風景や歴史を尊重しつつ、少しずつ環境を変えていく再創造の過程です」と語る。

島内にある建築物の模型

島内にある建築物の模型

 犬島には廃墟と化したかつて島の主産業だった銅の精錬所や人口衰退空き家となった古民家を美術館やギャラリーとして利用し、島の風景と共生しながら島内各所にアートや建築が立ち並ぶ。
 JHSPの展示会場には島にあるアートプロジェクトに関連する施設を模型化し、犬島各所で展開しているプロジェクトを紹介していく。展示作品や島内の様子が伺える映像も展示スペースで上映している。
 クルッグ館長は「島は1時間程で1周できる小さな島で、規模としては大きなプロジェクトではありません。ですが、現地の自然や特色を守りながら地域を活性化するプロジェクトとしてサンパウロにとって非常に参考になる取り組みを紹介できると思います」とコメントを寄せる。
 同館はコロナ禍のため入場者数を制限して開催中。オンライン予約からの入場予約は(https://agendamento.japanhousesp.com.br/)から。開館時間は火~金曜日が10時~18時まで。土曜日が9時~19時まで、日曜日・祭日は9時~18時の開館。月曜日は休館日。

 

 

image_print