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新たな手口にご用心!=行員装いカードすり替え

ニッケイ新聞 2012年3月8日付け

 6日夕方、70代の日本人女性が「今、銀行で詐欺に遭った」と、本紙編集部に息せき切って掛けこんできた。
 女性によれば、同日3時頃、サンパウロ市リベルダーデ広場にあるサンタンデール銀行を訪れた。
 カイシャ・エレトロニカで残高確認をし、画面を閉じようとすると、隣から従業員を装った30〜40代のブラジル人男性が「キャンセルしないと危ないですよ。手伝いましょう」と女性の手からカードを取り、手続き後に戻した。
 そのまま奥のカウンターで振込みの手続きをしようとすると「これはあなたのカードじゃない」と言われ、初めて他人のものにすり替わっていることに気付いた。
 「ポ語が話せないから、息子に電話をしてもらってカードを停止した。わずか15分くらいの間に1万5千レアルがなくなった」。引き出しのほか、他口座への振り込みやローンまで組まれていたという。
 「いつも用心しているのに…どうやってパスワードを見たのか、どうやってすり替えたのか、さっぱり分からない」と首を捻りながら「同行の担当職員は赤い制服を着ている。男性は背広を着ていたから信用してしまった。気をつけてほしい」と呼びかけている。
 先月はブラジル銀行ガルボン・ブエノ支店で日本人がカード被害に遭った。親切を装う手口は同様だ。日系高齢者を狙った犯罪グループがリベルダーデを中心に暗躍していると見られており、注意が必要だ。

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