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うつは心の風邪=早めの治療で治るうつ=家族らが症状に気づくことが必要に

健康広場

3月23日(水)

 高齢者のうつは決して特別な病気ではないことは前回知ってもらえたと思う。誰もが罹る可能性のあるこの病は、身近にいる家族らが初期に気づいてあげる必要もある。初期に気づいて早めに抗うつ薬などで治療を開始すれば決して直来病気ではないが、家族が長い目で優しく接することも不可欠だ。早めに発見する方法や対策などを考えよう。
 高齢者の二十人に一人、つまり約5%の発病率にのぼる老年期うつ病。自律神経の体の不調が現れやすいのが特徴だ。不眠や食欲不足、便秘などを訴える人が多く、内科を受診しても「異常はない」「気のせい」などといわれることも多く、うつ病だと分かりにくく治療が遅れるケースも多いという。
 高血圧や心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病など高齢者がかかりやすい病気はうつ病を同時に併発しやすい。また、高齢者がしつこく体の不調を訴える時は、うつ病の可能性があるということを家族らが理解しておきたい。
 次に日ごろの行動や態度などからうつ病を早く見抜く方法を表に挙げた。こうした症状が二週間以上続く場合は要注意だ。
 特に気をつけたいのは、高齢者のうつ病が、自殺につながる恐れがあるということ。日本での調べだが、高齢者の自殺の七割近くがうつ病を原因にしているとさえいわれる。
 うつ病の多くは適切な治療で直るといわれるので、早期に発見することが肝心だ。子供がデカセギに日本に行ってしまったり、伴侶や友人らを失ったりと精神的に落ち込んでいるときや、元気がない時は特に家族が支える必要がある。
 また、「頑張れ」と無理に励ましたり、無理に気分転換に外に連れ出すのも考え物。温かく見守って、悩み事や辛さの「聞き役」になるのも重要だ。
 「心の風邪」を引いている高齢者に「気のせいじゃない」「年のせいよ」などと取り合わないのは厳禁。本人の希望に合った手助けを、気長に行う必要がある。
 サンタクルース病院の老人内科でもうつ患者の治療を実施している。「うつ病の人は意外と多い。周囲が気付きにくく、どんどん取り残される存在になり、症状が悪化する。初期ならば薬物や心理療法で半年から一年で治る」と早めの診察を勧める。

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