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知りたい五十肩=中高年に目立つ症状=適切な運動で改善可

健康広場

3月23日(水)

 「長い間、縫い物を仕事にしてきましたが、今はアポゼンタードでたまに縫い物をしています。いつの頃からか覚えがないまま、右手が上に上がらなかったり、エプロンの紐が結べなくなって、五十肩だと言われるようになりました。五十肩の症状と治療法を教えてください」――。六十二歳になる椎木喜久子さんから、こんなお手紙を頂いた。中高年に特有な五十肩の症状や対策を紹介しよう。
 中高年になると特に原因もないのに、肩に不快感や痛みを感じる人が見られる。「肩が痛くて上がらない」「手が後ろに回らない」などという症状があれば、五十肩を疑う必要がありそうだ。
 正式な名前は「肩関節周囲炎」で肩関節の周囲に炎症が起きる症状だ。四十歳以上、特に五十歳以上に目立ち原因が不明なものを主に五十肩と呼ぶ。
 初期症状としては肩の痛みを覚えることが多いが、直接の原因は大抵分からず、痛みがだんだんとひどくなるケースが目立つ。ただ、突然起こるのではなく肩に違和感やしびれなどの前兆があるという。このため、この段階で肩関節を適度に動かしたり、温めたりすれば進行を防ぐことも可能だ。
 見分け方は、腕をねじったり、上げ下げすると痛んだりする。また、肩の背中側を押しても痛みはないが、肩の胸側を押すと強い痛みを感じるのも特徴。夜から明け方にかけて起こることも多い。
 五十肩の多くは放置しておいても、自然に治ると言われるが、初期に適切な治療をしたほうが長引かないので整形外科を受診するのがいい。運動療法と薬物療法などを組み合わせて治療する。
 改善にはやはり運動が欠かせない。痛いからといってじっとしたままでいると肩関節がほとんど動かない状態になることさえあるので、適切に運動し肩関節の稼動域を広げることが重要だ。両腕を前から真上に上げる▽両腕を真横から真上に上げる▽両腕を背中に回す▽両腕を頭の後ろに回す▽両腕を曲げ外に開く――などの運動を行うのも効果的だ。
 誰もが罹りうる五十肩。初期に適切な治療と運動をすれば改善は可能だ。「年だから」と諦めず、気長に治療をすることが欠かせない。

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