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次の百年戦略のために=~日系社会とは何か~

 四百年前、アルゼンチンで奴隷扱いから逃れる裁判を起こした日本人は、日本名すら残さなかった。スペインに残った常倉恒長率いる慶長遣欧使節メンバーは、苗字のみ残した。ブラジル日系社会はなんとか百周年を過ごすことができたが、次の三百年で何を残せるだろう――。未来を〃知る〃ことはできないが、過去の延長として推測することは出来る。未来を予測するために、過去四百年から学べる教訓とは何か。この六月に迎える新しい百年紀、百一年目の移民の日という重要な節目と、日系社会のリーダーたる文協が六年の長期政権を終えて新しい木多体制に入るという重要な節目に、荒削りなのは百も承知だが、あえて叩き台として新しい日系社会試論を提言する。(深沢正雪記者)

次の百年戦略のために=~日系社会とは何か~=第1部《世界史の視点から》(12・終)=人類史上稀にみる実験=動植物相すら変えた移住

ニッケイ新聞 2009年6月16日付け  前回の日本人奴隷連載の時、ポルトガル人やスペイン人が江戸初期まで日本に住んでいたことを書いた。実はその当時、混血児が多数生まれたが、幕府は外国人父親と子を共に国外追放した。  「一六七三年には、ポルトガルやスペインなどの南蛮人を父親に持った混血児たちが、日本の長崎の母と別れて父親に従って ...

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次の百年戦略のために=~日系社会とは何か~=第1部《世界史の視点から》(11)=「コロニア語」は財産=言語も〃移住〃し定着

ニッケイ新聞 2009年6月11日付け  普通、伯国はポ語だけだと思われているが、実は多言語大国でもある。  マラニョン州の地方紙「O IMPARCIAL」〇八年三月一六日付けには、「国連発表によれば世界には七〇〇〇の言語が存在し、ブラジルは言語数では世界九位の多さだ」との記事がでた。  伯国には二一五もの言語が存在し、うち一八 ...

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次の百年戦略のために=~日系社会とは何か~=第1部《世界史の視点から》(10)=言葉と文明の関係=欧州移民との違い

ニッケイ新聞 2009年6月10日付け  文明が違う――ということは何を意味するのか。  日本移民がブラジルで直面した西洋文明の壁として、最も大きく立ちはだかったものの一つがポ語ではないか。まず、次の文章を読んで見て欲しい。 O que mais consulto é o Dicionário Houaiss da língua ...

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次の百年戦略のために=~日系社会とは何か~=第1部《世界史の視点から》(9)=団結せよ、聖州日系団体=聖市は日系文化発信拠点

ニッケイ新聞 2009年6月9日付け  五百万人の外国人移民が入った伯国の中でも、聖州はその半分が入った最大の移民州だ。  聖州立移民記念館の資料によれば、聖州に入った外国人移民のうち最多はイタリア移民で九五万人、全体の約三八%を占める。日本移民は二五万人の七割だから一七万五〇〇〇人が州内に定着した。全伯にすればわずか〇・七%し ...

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次の百年戦略のために=~日系社会とは何か~=第1部《世界史の視点から》(8)=世界でも独自な日系文化=繰り返す異文化への適応

ニッケイ新聞 2009年6月5日付け  百周年では、いろいろな日系文化現象がブラジルどころか、世界で脚光を浴びた。英国BBC放送、中東のアルジャジーラ、仏ル・モンドまでがこぞって報道したことは記憶に新しい。  全伯に建立されている鳥居と日本庭園、北パラナの若者を中心に広まっているマツリダンス、ラジオ体操、聖市の街角には欠かせない ...

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次の百年戦略のために=~日系社会とは何か~=第1部《世界史の視点から》(7)=伯国日系社会の存在意義=全世界の6割という重責

ニッケイ新聞 2009年6月4日付け  世界史的に稀な状況を経て生まれたブラジル日系社会は、世界においてどんな存在なのか。世界の全日系人口におけるブラジル日系社会の割合から、その存在意味を推し量ってみたい。  海外日系人協会サイトによれば、平成十六年(〇四年)現在で全世界の日系人数は約二六〇万人だ。「海外日系人」の定義は「日本か ...

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次の百年戦略のために=~日系社会とは何か~=第1部《世界史の視点から》(6)=踏みとどまった日本移民=世界史的に稀な高定着率

ニッケイ新聞 2009年6月3日付け  渡米した外国移民の場合、大半の民族が三五~五〇%の割合で祖国に戻った。  「一九世紀末から二〇世紀初頭に渡米した移民のうちで、最終的に母国に帰った者の割合は、ポーランド人・セルビア人・クロアチア人・スロヴェニア人が三五%(ないしそれ以上)、ギリシア人が四〇%、南イタリア人・マジャール人・ス ...

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次の百年戦略のために=日系社会とは何か=第1部《世界史の視点から》(5)=未知の文明に挑んだ先人=欧州移民との根本的差異

ニッケイ新聞 2009年6月2日付け  「黄金の扉の傍らに、私は灯火を掲げましょう」。米国入移民の全盛期である一八八五年にニューヨーク港の入り口に建てられた自由の女神像の台座には、新天地に向かって渡ってくる移民への歓迎のシンボルとして、そう刻まれている。だが、日本移民はそこに含まれていなかった。  アメリカでは、日本人や中国人移 ...

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次の百年戦略のために=~日系社会とは何か~=第1部《世界史の視点から》=(4)=北海道かブラジルか=移民を押し出した重税

ニッケイ新聞 2009年5月29日付け  一九世紀という時代は世界の激変期だった。しかし、日本がこの世界の資本主義経済に巻き込まれたのは明治になってからで、ブラジルよりも半世紀以上も遅かった。  薩摩藩と長州藩の中級武士団が一八六八年に倒幕に成功した理由の一つは、西洋の軍事技術の導入だった。この時点で、世界経済システムに巻き込ま ...

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次の百年戦略のために=~日系社会とは何か~=第1部《世界史の視点から》=(3)=ナポレオンと黒船来航=世界の資本主義化の流れ

ニッケイ新聞 2009年5月28日付け  伯国を世界の資本主義経済の歯車に組み込む意味でも、ナポレオンは重要な役割を果たした。  一八〇七年一一月、ナポレオンはポルトガルに軍隊を侵入させた。皇太子ドン・ジョアンは同一一月末、王族・貴族・高官等とその家族一万五〇〇〇人を率い、フランス軍がリスボンに侵入する前日、一六隻の船でブラジル ...

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