ホーム | 連載 | 2015年 | 終戦70年記念=『南米の戦野に孤立して』=表現の自由と戦中のトラウマ (ページ 4)

終戦70年記念=『南米の戦野に孤立して』=表現の自由と戦中のトラウマ

終戦70年記念=『南米の戦野に孤立して』=表現の自由と戦中のトラウマ=第2回=終戦直後のベストセラー

左が初版(1947年)、右が3版(1962年)

 サンパウロ州公文書館(Arquivo Público do Estado de São Paulo)でDOPSの岸本調書(10590)を調べたところ、1957年5月21日付けの判決文があった。岸本への容疑は「ブラジルを攻撃し、人種対立を刺激し、日本人の孤立を促進する内容の本を刊行して国益を害した」であり、《帰化権を剥奪した上で ...

続きを読む »

終戦70年記念=『南米の戦野に孤立して』=表現の自由と戦中のトラウマ=第1回=正史から抹殺されたジャーナリスト

岸本昂一(新潟県人会)

 67年前――1948年3月3日午前10時、サンパウロ市ピニェイロス区の寄宿舎学校「暁星学園」に社会政治警察(DOPS)の刑事が突然訪れ、著書『南米の戦野に孤立して』を出版したばかりの岸本昂一学園長(筆名=丘陽、1898―1977、新潟県)に出頭を命じ、同書を全て押収した。約1カ月間も投獄され、以後10年間は国外追放裁判と闘うこ ...

続きを読む »