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JICA=日系社会ボランティア30周年=リレーエッセイでたどる絆

JICA=日系社会ボランティア30周年=リレーエッセイでたどる絆=第9回=元プロ野球選手の初派遣

10月9日、ブラジル国内の大会(アダルトカテゴリー)にて、史上初の3年連続チャンピオンを達成。私も微力ながら勝利に貢献しました

「プロ野球選手」経験のあるボランティア派遣は、JICAの長い歴史の中で、意外にも、私が第1号だと知り驚きました。現在、サンパウロ州マリリア市の「マリリア日系文化体育協会」へ随伴者の妻と共に派遣して頂き活動をしています。  2011年3月11日、東日本を未曽有の大災害が襲いました。私の出身地、岩手県釜石市も大津波に襲われ、甚大な被 ...

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JICA=日系社会ボランティア30周年=リレーエッセイでたどる絆=第8回=「桃源郷」のような派遣先

中央で指導するのが森さん

 2016年7月19日いよいよ任地のコロニア・ピニャールに向かう。  いくつかの町と整然と並ぶユーカリの林を抜けて、車は起伏のある赤い大地を走る。  サンパウロ市内から3時間も走ると道路に突然、日系社会のトレードマーク大きな赤い鳥居が見える。陸の孤島と言われるコロニア・ピニャールは、そこから4キロ奥地の集落だ。果物生産が盛んでビ ...

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JICA=日系社会ボランティア30周年=リレーエッセイでたどる絆=第7回=「日本は豊かな国なのか?」

さくらホームで巻き寿司を作る食事イベントの様子(左端が村上さん)

 わたしは日本に生まれ育ち、恵まれている環境の中にいながらも、物足りなさを感じていた。  23歳の時、カンボジアの孤児院へ赴く機会があり、そこでのこどもたちとの出会いによって、貧しさの中に輝く笑顔から本当の豊かさとは何かを考えさせられた。  それから4年後、「日本は豊かな国なのか? 良さは何か?」という答えを探しに、福祉施設での ...

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JICA=日系社会ボランティア30周年=リレーエッセイでたどる絆=第6回=「何もないけれど全てがある」

ラーモス日本語学校で生徒や父兄と記念撮影(花を持って中央にいるのが大野さん)

「なにもないけれど、すべてがある」――赴任から約3か月が経った今、私がここラーモス移住地に抱いている印象です。  私は南伯サンタカタリーナ州のラーモス移住地で日系日本語学校教師として活動しています。大学時代に留学したスイスで多言語社会と言語教育に興味をもち、日本語教師となりました。インドネシアで半年間のアシスタント教師をし、さて ...

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JICA=日系社会ボランティア30周年=リレーエッセイでたどる絆=第5回=母娘のブラジルとの深い絆

母・貞子さんと娘・裕美子さん

 ほんの10年前まで、私たち母娘はブラジルとこんなに深い絆ができるとは考えもつかなかった。日本人の誰もが思い描く、コーヒー豆とサッカーとサンバと広い大地。それが母娘のブラジルの知識だった。  まず、娘・裕美子が初めてブラジルに足を踏み入れたのは、大学の卒業旅行で南米を旅した時であった。卒業式前日に真っ黒に日焼けした顔で帰国した娘 ...

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JICA=日系社会ボランティア30周年=リレーエッセイでたどる絆=第4回=忘れられないピラポーラ

サッカーの試合を取材する岐部大野さん

 忘れもしない。ブラジルに到着して数日後、生まれて初めて12時間ほぼぶっ続けで車に揺られた。「リオから任地ミナス・ジェライス州ピラポーラまで約800キロを車で移動するってどういうことなんだろう?」当時の私は距離感もつかめず、ただめちゃくちゃ遠いということしかわからなかった。(800キロとは東京から広島までの距離だ)  ピラポーラ ...

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JICA=日系社会ボランティア30周年=リレーエッセイでたどる絆=第3回=いつのまにかブラキチに

50周年誌編纂の第1回会議の風景

 日本人移民史、日系人・日系社会に関する調査研究を専門とする、サンパウロ州サンパウロ市のサンパウロ人文科学研究所(以下、人文研)へ配属され、役員の高山儀子(のりこ)さんと共に同研究所の「50周年記念誌」編纂に携わっています。  私は元々、「大航海時代のポルトガルによる航海事業」に関心があり、研究の道へ入りました。大学院を出た後、 ...

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JICA=日系社会ボランティア30周年=リレーエッセイでたどる絆=第2回=自分のことはさておいた日々

島準さん

 1995年に開発青年としてサンパウロのブラジル日本交流協会へ団体事務職で派遣され、ブラジルの広い胸に押し返されながら悪戦苦闘する日本人研修生とともに泣いたり笑ったり、様々な生きざまを見守った3年間は、ボランティアが「人のため」と意訳できるなら、まさにボランティアを体現した3年間だった。  我の強い僕が、あそこまで「自分のことは ...

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JICA=日系社会ボランティア30周年=リレーエッセイでたどる絆=第1回=役に立った危機管理の経験

2015年7月11日、テイシェイラ・デ・フレイタス日本語学校校舎落成式にて

 JICA日系社会ボランティアが今年、30周年を迎えたのを記念して、現役と経験者による20人ほどのリレーエッセイを、毎週1回をめどに掲載することになった。青年とシニアそれぞれから、ボランティア時に最も印象深かった体験談や、その後に役に立った経験を中心に、派遣された団体の紹介を、エッセイ風に書いてもらった。30年は長い。いろいろな ...

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