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半世紀に渡って親睦深め=ピニェイロス文化会50周年=60人が集い和やかに祝う=「55、60周年まで継続を」=中川芳月(ほうげつ)さんの浪曲も

ニッケイ新聞 2013年10月23日

 ピニェイロス文化親睦会(中川浩巳(ひろみ)会長)の創立50周年を祝う式典が20日、サンパウロ市のピラチニンガ文化体育協会サロンで開かれ、約60人が和やかに節目の年を祝った。中川会長は「この式典を糧に、元気に仲良く55、60年と会の活動を継続させよう」と会場に呼びかけ、決意を新たにした。

 ピニェイロス区に住む有志により、勝ち負け問題に揺れた戦後の地域コロニアの団結を強め、文化向上を図ることを目的に、21人の創立会員が1963年2月に創立した。同地に本部を置くなど結びつきの強かったコチア産業組合中央会の井上忠志理事長が初代会長を務めた歴史を持つ。
 式典前には浄土真宗西本願寺の松峯慈晄総長による会員物故者への慰霊法要が行われ、参加者はそれぞれ先没者に祈りを捧げ、焼香した。来賓には在聖総領事館の佐野浩明首席領事、ブラジル日本文化福祉協会の重田エウゾ副会長、日系熟年クラブ連合会の五十嵐司会長などが出席した。
 親睦会に活動拠点を提供するピラチニンガ文協からは酒井清一会長が出席し、「50年間も続いてきたのは本当に素晴らしい」と祝辞を述べた。続いて後藤宗治前会長ら会の功労者4人に感謝状と記念品が贈られ、88歳以上の高齢者20人も表彰された。
 功労者の一人、寺田洋子(ようこ)さん(79、新潟)は2000年代初頭に婦人会が解散するまで、通算40年以上婦人会長を務めた。「一番大きな行事だった運動会も婦人会が仕切ってやってきた。会員の減少と高齢化でなくなってしまったけど、皆で一緒になって汗を流したのは良い思い出」と振り返り、「こうやって仲間と集まる場所があるのは幸せ」と感慨深げに語った。
 最高齢者の水本薫(かおる)さん(101、岡山)は「日本語で話せる友人たちとの時間は貴重。定期的に会館に通うのも健康の秘訣かな」と笑顔を見せた。
 昼食後の余興では、婦人グループが日舞とフォークダンスを発表、パラナ州ロンドリーナから駆けつけた中川芳月さんによる浪曲「千の風になって〜日本移民の祖・水野龍」も披露され、好評の中、幕を閉じた。
 創立の年から慰安運動会が行われ、文芸、演芸などのクラブ活動も積極的に年間を通して催されてきた。74年には高齢者の増加を踏まえ、老壮部も開設された。現在は新年会、母の日会、父の日会、敬老会、忘年会を柱に交流・親睦が図られている。
 表彰者は次の通り(敬称略)。【功労者】後藤宗治(むねはる)、小川利治(としはる)、寺田洋子、玉井須美子【高齢者】安良田済、萩原虎一(とらいち)、長谷川乙次(おとじ)、三隅松代、比嘉秀俊、江頭義光、大平美佐子、清原静子、小池イセ、石元清恵、家永益子(ますこ)、高橋よしみ、坂本リサエ、梶岡澄子、星野テルコ、後藤宗治、星野耕作、坂本明、切田(きりた)まさみ、水本薫

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