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俳句

ニッケイ俳壇(890)=星野瞳 選

   アリアンサ         新津 稚鴎沈み行く月に妻恋鹿の鳴く横書きの文親しめず秋灯下生え広がり咲き広がりて秋桜引力に耐えて暮れゆくパイナかな除夜告げて我が家に古りし鳩時計   北海道・旭川市       両瀬 辰江これで終りと思わせて春の雪雲一つ無き空の画布鳥帰る薄ら氷を踏み蹴散らして登校児気がつけば流氷すでに去りしあと ...

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ニッケイ俳壇(889)=富重久子 選

サンパウロ  広田ユキ

秋晴や神に委ねし我が余生

【若い頃はあまり感じなかったが、最近は月日の経つ早さに驚いている。特に私達のように毎月の句会や俳誌の編集に追われていると、一層強く感じる…】

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ニッケイ俳壇(888)=星野瞳 選

   アリアンサ         新津 稚鴎屠蘇を酌む我百才をブラジルに野の雨降りそびれたる残暑かな宙を飛び逃げる蛇追ひアヌン二羽草青む牧場に光る沼一つこぼれ種子まで生える蕎麦の花盛り【百才を迎えたこの作者はまだ元気一ぱい、たのもしい限りである】   ペレイラ・バレトット    保田 渡南開拓の孫が市長や風香る山焼きし種蒔きしこ ...

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ニッケイ俳壇(887)=富重久子 選

   サンパウロ         平間 浩二里山の一村挙げて吊し柿【秋も深まってくると、この「吊し柿」が店頭に並び懐かしくてよく買い求める。 この句の「里山」とはスザノあたりの地方であろうか。スザノ地方では柿の出る頃は、吊し柿や串柿作りで忙しいことであろう。 「里山の一村挙げて」と言う詠みだしの言葉がとても印象的な佳句であった】 ...

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ニッケイ俳壇(886)=星野瞳 選

   アリアンサ         新津 稚鴎念腹の残党奥地の虚子忌わする山鳥が鳴く移住地に蕎麦を蒔く咲き満ちて百日草が今主役我を見ており鰐の眼のまたたかず春惜しむ角笛を吹き鳴らすなり【いよいよ百才をむかえられた稚鴎さん。必ず投句を忘れずにして下さる。物忘れがひどいとは云われるが】   プ・プルデンテ       野村いさを鬼も嗤 ...

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ニッケイ俳壇(885)=富重久子 選

   カンポ・グランデ      秋枝つね子夏の雲ぼんやり見てる九十才【雲の美しさは色々あるが、特に夏の雲は変化が多い。『綿帽子雲』『積雲』『雲の峰』等。 作者は広く養鶏をしていて、もう九十歳といわれる。仕事の合間にほっと一息ついて空を見上げると、青空に夏雲が快く広がっていて、それを何気なくぼんやりと心地よく眺めている姿であろう ...

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ニッケイ俳壇(884)=星野瞳 選

   アリアンサ         新津 稚鴎野良の雨降りそびれたる残暑かな宙をとび逃げる蛇追ひアヌン二羽草青む牧場に光る沼一つ屠蘇酌み我百才をブラジルに【作者は単身で一九三十四年八月三十一日、モンテビデオ丸でサントス着。同年九月三日、アリアンサに入植。今年その地を一歩も出られず、百才を得られた。唯一の好きな俳句で『アマゾンを遡り ...

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ニッケイ俳壇(883)=富重久子 選

   セザリオランジェ      井上 人栄乱れ棹すぐ立て直し雁渡る【「雁渡る」といえばすぐ、「かりかりわたれ おほきなかりはさきに ちひさなかりはあとに なかよくわたれ」という童謡を口ずさむが、この句の通り少女の頃はよく夕焼け空を棹になったり、かぎになったりして西の空へ消えていく雁の群れを見送ったものであった。サンパウロに来て ...

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ニッケイ俳壇(882)=星野瞳 選

   アリアンサ         新津 稚鴎アララ飛び花野の虹は濃かりけり向ふ岸鹿現れてこちら見る風鈴の尾の力抜け酷暑来る差し向けし灯に目を剥いて枝の木莬滝くぐり来て中空に囀れる【明治の偉人・正岡子規がそれまで日本にあった俳句や短歌を写生であるべきだと改革した。その俳句を佐藤念腹がブラジルに伝えひろめた。稚鴎さんはアリアンサで念 ...

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ニッケイ俳壇(881)=富重久子 選

セザリオ・ランジェ  井上人栄

極暑とはこんな事かやカアチンガ
カアチンガ中に葡萄の畑あり

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