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越境する日本文化 漢字

越境する日本文化 漢字(5)=文字による自己表現=ブラジルでも普及の可能性

2月7日(金)  「『書道はどうして芸術なんだ』とブラジル人に聞かれたことがあります。『決まった形の字を書くだけでしょう』とね」。書道指導者の渡辺少南さんは断言する。ブラジル人にとって、字を書くということは「カリグラフィーア(手本通りに書くこと)です」と。 先の質問は、「日本では聞いたことがない」という。書くことはカリグラフィー ...

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越境する日本文化 漢字(4)=「1つ」で意味を持つ=ブラジルにはない存在

2月6日(木)  生け花や能などと違い、漢字は文化の一つであるが、ジャンルとしてはとらえられていない。強いて、漢字を芸術として扱っている例を挙げるとすれば、それは書道ということになるだろう。  二〇〇二年全伯幼少年毛筆コンクールの課題となった字は、「る」「まゆ」「元気」「大きな魚」「夕日の湖上」「春待つ草原」の六つ。扱う字は、ブ ...

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越境する日本文化 漢字(3)=日本の美しさ伝える=Tシャツの 文字はメッセージ

2月5日(水)  KEROPPIの共同経営者であるエリザベスさんにとって、漢字Tシャツは、単なる商品ではない。  「私たちのデザインは、メッセージです」と言い切る。例えば、「水 ゆっくりあわてずに」という印刷に込められた意味を説明して「サンパウロでは、誰もが急ぎ足で歩いている。もっとゆとりを持っては」と語る。「平和」などの漢字は ...

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越境する日本文化 漢字(2)=日本の「経済的成功」と「神秘」=漢字Tシャツの魅力

2月4日(火)  漢字Tシャツを作って売る側の企業に、その魅力を聞いてみた。  ジャパン・ソサエティの現代表、タルシーゾ・正勝・中島さん(五六)は、ブラジル人の間で東洋的なデザインが好まれるのは、「現代日本が持っている経済的成功、先進的、リーダーといったイメージに理由がある」と分析している。そしてもちろん、「ミステリアスなイメー ...

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越境する日本文化 漢字(1)=Tシャツに書かれた=「命」「幸福」「友情」「成功」

2月1日(土)  「命」「幸福」「友情」「成功」・・・リベルダーデ区に限らず、また日系人、非日系人にかかわらず、ペンダントやTシャツ、インテリアや入れ墨などに、漢字をはじめとする日本の文字を使っている人を見かけるのは、珍しくない。この一種の「漢字ブーム」とも言える現象は、なぜ、いつ頃から、誰によって、どんな人達の間で起こっている ...

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