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日伯親善に貢献―内閣総理大臣森喜朗

 平成十三年(二〇〇一年)、まさに新世紀の年頭にあたりブラジルに在住する邦人及び日系人の皆様に謹んで新年のご挨拶を申し上げます。ブラジル社会における皆様の御活躍及び日伯関係への御貢献に対し、大変心強く感ずるとともに心より感謝申し上げます。
 
 私たちは、今、この世紀の変り目に生き、活動していることに対して、改めてその意味をかみしめたいと思います。平和と幸せに満ちた新世紀は、偶然に来るものではありません。私たち二十世紀を生きてきた者が、一日一日、努力することによりもたらされるものであると考えております。
 このような考え方から、私は、新しい日本の国づくりを目指し、次のような政策を積極的に実行する決意であります。
 現在、我が国をはじめ世界の多くの国々が、グローバル化、IT(情報技術)革命、少子高齢化といった時代の大きなうねりの中にあります。
 このような世界的な潮流の中で、私は日本を(1)安心して夢を持って暮らせる国家、(2)心の豊かな美しい国家、(3)世界から信頼される国家とすべく、「日本新生」に取り組んでおります。具体的には、国民運動としてのIT革命、より良く生きるための教育改革、二十一世紀への基盤整備として、日本経済の再構築、社会システムの再構築、それに二十一世紀に相応しい日本外交の展開を柱とする次なる時代への改革プログラムである「日本新生プラン」を、政策の基本に捉え、その実現を図っております。
 特に、二十一世紀に合った豊かな国民生活の実現と我が国の競争力の強化を実現するための鍵である日本型IT社会の実現、人口構造の急変、有限な資源や環境の負荷への配慮など、技術の進歩や状況の変化に応じて、これまでの仕組みや慣行を見直し、心豊かな新たな社会を築いていくことが重要であると考えております。
 ブラジルと日本とは、伝統的に友好的な関係を維持しております。特に我が国からブラジルへの移住という大きな繋がりを通じ、政治経済のみならず、文化、スポーツ等の分野における交流も益々活性化しております。今後も引き続き国際社会の発展のために両国が協力していく上で、広い視野と柔軟な考え方を併せ持たれた皆様が益々大きな役割を果たされることを期待致しております。そして、両国民の間の揺るぎのない信頼と協調は、国際社会の安定と繁栄にとり今後とも大きく寄与するものと信じております。
 全世界で約二百五十万人の日系の方々が様々な分野でご活躍されていますが、その中で最大の百三十万人と推定される在ブラジル日系人の皆様は、各界で目覚ましい活躍をされ、ブラジルの国民として同国の発展の一翼を担っておられます。誠に喜ばしい限りであります。私は、皆様が勤勉と努力によって多くの困難を克服し、今日の日系社会の礎を築かれると共にブラジルの良き市民として高い評価を得ておられることに深く敬意を表します。そして、皆様が、日本とブラジルとの友好親善関係、二国間の相互理解の増進に益々貢献されますことを確信致しております。私は、ブラジルの親日感情を醸成する基盤となっておられる皆様が、日系社会の良き価値観、伝統等を次世代に確実に継承されると共に、我が国とブラジルとの友好・親善関係の増進に益々貢献されるものと確信致しております。
 最後に海外で新年を迎える皆様のご多幸と一層のご繁栄を心より祈念して、新年の挨拶と致します。

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