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日伯関係に新時代―在ブラジル日本国大使 鈴木勝也

新年明けましておめでとうございます。

 二十一世紀の幕開けとなる年をここブラジルで皆様と共に迎えることができ、大変嬉しく思っております。私がここブラジルに着任して以来約二年の間、ブラジルの社会をつぶさに観察してまいりましたが、昨今のブラジル経済の堅調ぶりには目を見張るものがあります。九九年一月のレアル変動相場制移行後、ブラジル経済は急速な回復を示しました。世界第八位の経済大国ブラジルの安定は世界経済全体にとり重要であり、最近の好調な経済動向を心強く感じている次第であります。 一方、日本経済に目を転じると、昨年春頃を底として景気回復への前向きな兆しを示しています。日本経済は古い殻を破って新しい構造に転換しようとしている真っ最中にあり、景気は今、正に勝負どころにあります。昨年十月、日本政府は「日本新生」をキーワードにした包括的な政策を発表し、五年後に日本が世界の情報通信の最先端国家となることを目指した「IT戦略」、企業経常のダイナミズムを確保するための制度改革、多様な雇用形態を踏まえた労働市場の発展、創造的技術開発のための環境整備等、二十一世紀においても日本が世界経済の主要プレーヤーとして人類の繁栄と平和に貢献するための改革に正面から取り組んでいるところです。 このように変わりつつある日本とブラジルの間には、新しい時代の日本―ブラジル経済関係を発展させる可能性が広がって来ています。昨年十月には日本の経団連とブラジル全国工業連盟が「二十一世紀に向けた日伯同盟」構築のための共同報告書を発表しましたが、民間企業が主体となって新しい日本―ブラジル経済関係を推進していく動きを、日本政府もブラジル政府と十分協議しながら出来る限り支援していきたいと考えております。 日本とブラジルは、一世紀にもわたる歴史を有する友好国です。百五十万人ともいわれるブラジルの日系社会、及び、二十三万人ともいわれる日本の日系ブラジル人の存在は、両国の長い友好関係の何よりの証左であると言えましょう。ブラジルと一世紀にもわたる友好関係を有するアジアの国は日本より他にありません。二十一世紀においても、南米のリーダーであるブラジルとアジアのリーダーである日本が良きパートナーとして国際社会の中で果たすべき役割は大きいものと信じております。日系人の皆様には、日伯友好の架け橋として両国の友好関係に貢献していただけることを願ってやみません。微力ではありますが、日本とブラジルの間により良いパートナーシップを築き上げるために尽力してまいりたいと思っております。
 最後に、新しい世紀が日系社会の皆様に御多幸と御繁栄をもたらすものであるよう切にお祈りいたします。

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