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PT、PMDB両党 両院議長選出交渉も不調=互いの主張譲らず=両党の連立は絶望視か=水面下で造反議員作戦

1月10日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙九日】組閣工作を巡ってPTとPMDBの連立交渉が白紙となったことで、上下両院議長の選出にPTが下院、PMDBが上院とする協定の有効性を打診するため両党幹部は八日、再度連立の歩み寄りを行った。しかしPMDBが、上院議長の継続就任にルーラ大統領は一切関与しないとする条件を提示したことでPTが難色を示したため、交渉は妥結に至らず不調の結末となったようだ。

 二月一日の上下両院議長の選出に向けたPTとPMDBの交渉は口頭だけの約束で、それまでに何が起こるか予断を許さぬ連立交渉となった。
 PMDBは下院議長にジョアン・P・クーニャ下議(PT)を据えることを了承する代償として、ルーラ大統領がPMDBからの上院議長選出に一切関与しないとする確証を要求した。ルーラ大統領が上院議長に推薦するサルネイ元大統領を使って、PTへの飛び入り議員の招致と造反議員の呼び込み作戦を、PMDBが阻止するためとみられる。
 テメルPMDB党首と会談をしたジェノイノPT党首は、両党がそれぞれの議長候補者を支持することで原則了承したが、書面の手交がないので、来月一日までには事態の急変が予想され流動的という。PTとPMDB以外の党の連立工作もあり、造反議員の争奪戦もあるため一方で敗れれば、連鎖的に敗れる可能性もあるとした。
 PMDBは政府の内諾が得られれば、上院議長にレナン・カリェイロ上議を党内での多数支持を理由に正式推薦するものとみられる。大統領府は両院議長の選出には関与しないというが、PT、PLとも造反議員の呼び込みの水面下作戦を活発に行っている。
 さらにPMDBの要求事項では、まず上院の議長選出を行い続いて下院議長の順としている。カリェイロ上院議長の就任を確認をしてから、クーニャ下院議長の選出を行うという。PFLもマシエル前副大統領を上院議長に押す計画があり、PMDBとの連立に食指を動かしているようだ。
 いっぽうサルネイ上議は、上院議長への政府推薦を期待している。たとえ上院議長に選出されなくても、PMDB内のPT支持派を統合すると表明している。メルカダンテ上議も、あわよくば上院議長就任を内心期待しているようだ。

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