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コラム 樹海

 少し旧聞ながら国立国語研究所が外来語の日本語への言い換え例を発表した。今、日本の病院に行けば必ず耳にするだろうインフォームド・コンセントは納得診療。スクリーニングをふるい分けなどを提案している。何しろ年間にほぼ五〇〇語もの外来語が入り込んでいるそうだから国が真剣に取り組むのも当然すぎるほどに当然だ▼だが、日本への外来語は大昔からのことであって今に始まったのではない。第一には中国からの漢語がある。カタカナや平仮名は漢字から作り上げた文字だし維新後になると英・独語が氾濫する。尤も、日本には漢字の到来よりも前に神代文字が存在したの議論があり江戸時代から今に論争が続く。平田篤胤は存在を主張したけれども、現在も学説として定説となってはいない▼確かに─外国の言葉を使うと便利も多い。戦前の大学生たちは「メッチェン」とか「キュッセン」をよく口にした。娘とか恋人。後者は接吻だけれども、これを国語でやると何となく気恥ずかしい。逍遥の「当世書生気質」の一節には「例のイヂヲット(愚人)のシクエンス(後談)ハどうなツたか」と書いたそうだし、日本人は外国の言葉に弱いような気も▼これに比べるとフランスは英語と言うか外国語の侵入には手厳しい。ジスカールデスタンが大統領の頃に(七四年就任)政府が外国語規制に乗り出したのはよく知られる。ここまでは行かなくとも、日本も国語をもっと愛し後世によりよきに日本語を伝えるためにも外国語の導入にはよく気配りをしたい。   (遯)

03/01/16

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