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全人教育を掲げて=カリタス学園 Sマテウス校 4周年=幼稚部から始め、いま生徒200人=校舎拡張で協力求める

3月22日(土)

 カリタス学園サン・マテウス校の創立四周年記念式典が二十九日午後一時から、サンパウロ市サン・マテウス区の同校で開かれる。九九年、「理性」「慈愛」「宗教」を理念に恵まれない地域での教育を始めてから四年。幼稚部から始まった同校も、現在では二百人の生徒が通う。宮崎カリタス修道会の白沢康子管区長、サン・マテウス校の赤塚洋美理事長と牧山千恵美校長、学校建設委員会の中矢マリオ副委員長が案内のため来社した。
 同学園を運営する宮崎カリタス修道会がブラジルで活動を始めたのは一九六七年。ビラ・カロン区のカリタス学園をはじめビリチバ・ミリンの養護施設など、三十余年にわたり、教育、福祉の各方面で活動を続けてきた。
 日系を中心に続けてきた活動は九九年に転機を迎える。全人教育を通じたブラジル社会への貢献をめざして、ブラジル公認校としてサン・マテウス校は設立された。幼稚部から始まった同校も、今では小学四年生まで進んだ。
 同校のある地区には、北伯などからの国内移住者も多く住む。生活は楽ではない。月謝が払えず、または制服や靴を買えず途中で学校をやめていく子供もいる。
 学校側でも制服の再利用、篤志家による奨学金、里親制度などを通じて就学を支援している。中には、子供たちのおやつを寄付する日系人の篤志家もあるという。今年は二十人の児童が里親によって就学が可能になった。
 週末には、学校に通っていない子供たちに学園施設を開放して、スポーツや折り紙などを教えている。教えるのは、男子修道会のボランティア。百人近い子供たちが学校を訪れる。
 同校では昨年十一月から、新たに高校設置のための校舎拡張工事を始めた。しかし、建設費用をはじめ完成までに解決すべき課題は多い。「心を寄せてくれる人達の協力で、教育への熱意と善意の輪が広がれば」、赤塚理事長はそう語り、協力を呼びかけた。
 二十九日は同校の創立記念日でもある。当日は記念式典とあわせて、新しい講堂の上棟式、運動場の開所式も開かれる予定だ。
 【カリタス学園サン・マテウス校】住所=サンパウロ市サン・マテウス区ペドロ・パウリーノ・ドス・サントス街157(マウロ・ボナフェ・パウレッティ街より入る)。

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