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コラム 樹海


 中国を中心に流行している「謎の肺炎」が世界へと飛び出そうとしている。正式には重症急性呼吸器症候群(SARS)と呼ぶそうだけれども、厄介至極な病気が現れたものだ。最初の患者が見つかったのは中国の広東省だったが、あれよあれよと言う間に香港やベトナムに広がり、米国、英国とカナダでも感染者が発見されている▼香港は特に酷いらしい。アパート一棟から二五〇人近い感染者が出たり医療機関も治療と対策に追われている。空港やバスと鉄道の駅では予防の為にマスクが飛ぶように売れているそうだが、これだけでは安全とは言えまい。発熱や咳に始まって呼吸困難も起こるし、重症だと死亡するケースもある。これまでに六〇人を超す人々が死を迎えているし各国は真剣な予防策を急ぐべきだ▼感染者の数字ははっきりしないけれども、ほぼ一八〇〇人とされる。このうち一二〇〇人が中国だが、飛行機などの頻繁な往来で欧州やアフリカで流行する危険は充分にある。世界保健機構(WHO)が「世界的な脅威」と位置付けて警告を発しているのも、このためである。原因は新型のウイルスによるらしいのだが、今のところ有効で決定的な治療薬も見つかってはいない▼日本での感染者はまだいない。けれども、隣国でもあり「謎の肺炎」の侵入には注意したい。WHOは広東省と香港への渡航制限を各国に勧告した。これに見習うわけではないが、日本も中国への旅行を控えるような呼びかけが必要かもしれない。奇病である「謎の肺炎」の蔓延を防ぐのに万全の手立てを─。  (遯)

03/04/03

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