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池崎グループ=異色の社会貢献活動=貧困生徒に情操教育を

4月17日(木)

 日系企業としては珍しい本格的社会貢献プロジェクトが、化粧品卸売り業最大手の池崎グループ(池崎博文社長)によって始まった。この「Escreve Beleza Brasil!」(ブラジル・美を書こう!)開始記念イベントが十五日夜八時半から、サンパウロ市内レナイサンセ・ホテルで開催された。
 このプロジェクトは、サンパウロ市の州立校五校の生徒合計二百人を対象に、同社の呼びかけに応じて集まった美容、ジャーナリズム、作文、写真やビデオ撮影、自己啓発の専門家らが、無償で特別講座を行い、貧困児童・生徒らの情操教育を支援するもの。この二月から講座は開始されており、九月まで継続する予定。
 最初に挨拶に立った同社役員の池崎リカルドさんは「社会改善は政府の仕事だと待つのでなく、自分たちでできることをやらなければ。貧困な家庭を助けるために、各分野のプロフェッショナルが賛同してくれたことに感謝します」と強い決意を述べた。
 有名アーティストなどがすでに名乗りをあげており、例えば映画『蜘蛛女のキス』プロデューサーのフランシスコ・ラマーリョ・JR、アブリュー出版元幹部のエンリ・コバタ、『エポカ』誌役員のパウロ・モレイラ・レイテ、有名カメラマンのペドロ・パルチネリ各氏など、そうそうたるメンバーだ。
 プロジェクト進行中の学校で撮影された十五分ほどのビデオを放映した後、総コーディネータのロザナ・チバナさんは「すでに学校の生徒から感謝の声が寄せられています。彼らに、明るい将来を夢見る権利を与えましょう」と壇上から訴えた。
 最後にマイクを握った池崎博文社長は「子供たちの多くは、犯罪者と一般人の境界線上にいる。ブラジルでは十四歳以下が、人口の三〇%を占める。彼らの未来の問題であるとともに、我々ブラジル人全体の問題でもある」と活動の意義を熱く語った。
 日系企業としては、異色ともいえる本格的な社会貢献活動であり、今後の更なる展開が期待される。
 同社ではボランティアを募集しており、希望者は電話011・3346・6944まで一報を。

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