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コラム オーリャ!


 その名を見つけてホッとした。一日に行われたコッパ・ド・ブラジル準々決勝。サンパウロFCと対戦したサンタカタリーナ州の名門、フィゲイレンセの先発メンバーに彼はいた。
 サンドロ・ヒロシ、二十三歳。サンパウロFCを解雇後、昨年末までフラメンゴに所属した日系三世は、その後表舞台から遠ざかっていた。
 「日本人イコール下手な選手」のイメージが残るブラジルでは、日本人はもちろん日系人もトップレベルで契約されることは難しい。
 ボールを持つたびに「ジャポネス」のヤジが飛ばされるサンドロは、苦境にもめげず再び、緑のピッチに戻ってきた。
 「父からは忍耐強さを学んだ」という彼もまた、日系人が誇るべき気質を受け継ぐ一人だ。
 欧州だけではない、王国でも「日本」の血を持つ男が戦っている。(記)

03/05/03

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