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「ブラジルの錦鯉も愛す」=徳竹審査員、来伯10回目

5月10日(土)

 移住者の温かい心遣いが好きーー。錦鯉品評会の審査員として、九三年に初めてブラジルを訪れた。以来、一年のブランクを挟んで今回で十度目の来伯。徳竹強全日本愛鯉会長野県支部相談役は、「ほかを断ってもブラジルにだけは行く」と、リュウマチで痛む足を押して審査に臨んだ。
 ブラジル派遣が決まった時、土産物店の明石屋を頼ればよいと、聞かされた。尾西貞夫社長(ブラジル錦鯉愛好会長)と付き合いが始まり、親密に連絡をとるように。
 品評会の終了後には、故・若林輝夫愛好会初代会長の自宅で、懇親会が開かれ、膝を突き合わせて語り合った。
 昨年は、池めぐりのツアーに参加。二日間にわたって、サンパウロ州、パラナ州で愛好会関係者の自宅や別荘六軒を回り、思いで深い経験になった。
 ブラジルは、「神経を擦り減らさなくて、審査のしやすい場所」。交通費などは自費で経済的な犠牲を払っても、「また来たくなる」。
 四、五回までは十回なんて想像もしなかったが、七回を越えた当たりから、回数を意識した。
 十年前とは比べものにならないほど、ブラジルのレベルはアップ。「おととしのチャンピオンである銀鱗紅白や昨年の昭和三色なんかは日本でも中々、手に入らない」。
 徳竹相談役の貢献は大きいと、尾西会長は感謝する。
 出品されるのが錦鯉の御三家と言われる紅白、大正三色、昭和三色に集中、出品数の割りに種類が少ないのが課題。種類が増えれば、品評会も活気づくと提言する。
 「来年は来れるかどうか分からない」と、語るが、表情には堅い意志がのぞいた。

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