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サンパウロFor Japan=復興支援コンサート開く=義捐金5千レが寄せられ

ニッケイ新聞 2011年12月1日付け

 サンパウロ州立カンピーナス大学(UNICAMP)の日本人留学生らが設立したボランティア団体『サンパウロFor Japan』が13日、ブラジル日本文化福祉協会大講堂で東日本大震災の復興支援コンサートを開催し、約260人の観客が訪れた。
 同大学内で震災の状況を伝える講演会、募金や千羽鶴作りから始まった活動は、メンバーの柴田大介さんが指揮学を選考していたことから今回の企画へと繋がった。
 文協、援協、在聖総領事館、宮城、福島両県人会やフジフィルムなど20団体が協力した。
 同大およびサンパウロ大学、パウリスタ大学の音楽学生にプロの演奏家を加えた約30人のオーケストラを組織した。
 リオ連邦大学副学長で音楽アカデミー会員でもあるマルコス・ノゲイラ氏が、宮沢賢治の詩を基に作曲した「Shizuka〜雨にも負けず」は今回初公演、緊迫感ある演奏に合わせて学生が詩を熱唱した。モーツァルトの「ジュピター」では曲調が一転し、明るく爽やかな音で観客を和ませた。
 ヴィラ・ロボスの「ブラジル風バッハ第9番」のほか「からたちの花」など日本の曲も披露、学生らの堂々たる演奏や指揮に観客は立ち上がって拍手を送った。
 来賓として訪れた山下譲二文協副会長は「音楽は国境がない。音楽を通じて大震災の復興支援に参加できたのは、私たちにとっても貴重な機会だった」と語った。
 谷口康史さん(30、岐阜)=サンパウロ市=は、どの曲もすごくよかった。宮沢賢治の曲はチャレンジしている感じがよくでていた」と話した。
 コンサートの収益金5176.46レアルはすでに同総領事館に送金されており、日本赤十字社を通して被災地に届けられる予定。

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