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富山県人会に4人組強盗=被害は7万レアル相当=事務局長を銃で殴打

5月15日(木)

 十二日午後九時すぎ、サンパウロ市アクリマソン区の富山県人会(市川良一会長)に十六歳から二十歳くらいとみられる四人組の強盗が押し入り、コンピューターやFAXなど電気製品をはじめ、貴金属類など計四十二点を奪って逃走した。被害は金額にして約七万レアル相当。会館には古城薫事務局長夫妻が住み込みで働いており、同事務局長(七二)が頭部や腹部を銃で殴られて軽傷をおった。同県人会にはこれまでに数回、空き巣が入ったことはあるが、強盗被害は今回が初めて。
 第五警察が作成した報告書と県人会関係者の話によると、市川会長が同日午後八時すぎに、現金四百レアルを県人会に届けた。
 帰途のため、車で会館を出た直後、犯人らが侵入した。古城事務局長に銃を突き付けて、会館内に連行、「ドルを出せ」と、脅した。
 これに対して、同事務局長は、「県人会には現金を置かないことにしている」と、応じたところ、「こういう場所にはあるはずだ」と、言い張った。
 四人は一階の居室にいた妻、ルイーザさん(五一)をベッドに縛りつけた上、地階から物色を始めた。
 コンピューターなど金目の物を一切、乗り付けた車と、古城事務局長所有の銀のゴル車の二台に詰め込んだ。二十九インチの大型テレビまで運び出した。
 その後、階上に上り、古城事務局長個人の持ち物を漁った。
 ルイーザさんは貴金属類の収集を趣味にしており、金の腕輪(八千レアル)、プラチナの指輪(六千レアル)などが奪われた。
 このほか、犯人らは十二年もののスコッチウイスキー八本、絵画、衣類などを持ち去った。
 さらに、別館のホールに移り、図書室内で金庫がないかどうか調べた。
 小切手には、関心を示さなかった。被害総額は現金を含めて、六万九千百八十レアルに上る。
 犯人は帰り際に、車は遠くない場所に捨てると、言い残して逃走。翌十三日午前、サンパウロ市イビラプエラ公園近く、で見つかった。
 犯人は十六歳から二十歳くらいの黒人や混血青年とみられている。
 古城事務局長は二時間あまり頭部に銃を向けられたまま床に伏せさせられ、「顔を見たら殺す」と、脅されており、人相はよく覚えていないという。
 ルイーザさんも多大な精神的ショックを受け、二人は、居室で静養している。 県人会は今月十七日に、緊急役員会を開いて、今後の防犯対策などを協議する。
 

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