ホーム | 日系社会ニュース | 初の草の根文化無償供与=コンピュータなど 日語教育機構、日文連へ=赤阪総領事 模範になるような活動を

初の草の根文化無償供与=コンピュータなど 日語教育機構、日文連へ=赤阪総領事 模範になるような活動を

5月29日(木)

 Capim(牧草)のように、水をまいて青々と育って欲しい――。在サンパウロ日本総領事館(赤阪清隆総領事)は、草の根文化無償資金協力事業の一環として、日伯文化連盟(上原幸啓会長、生徒総数約六百人)にコンピュータやプロジェクターなど日本語教育機材を供与、二十七日、同連盟ヴェルゲイロ校で引渡式が行なわれた。ブラジルでの草の根文化無償供与は今回が初めて。
 草の根文化無償事業は二〇〇〇年からスタート。開発途上国の草の根レベルで活躍する文化団体、高等教育プロジェクトなどに対し、日本の在外公館が中心となって資金協力する制度で、対象は一人当たりのGNPが五千二百二十五米ドル以下の国のNGOや地方公共団体となっている。
 ブラジルは昨年八月二十七日、対象国に決定。連盟は今年二月、供与された九万四千六十二・三六レアルをもとに、日本語学習用コンピュータ十一台、印刷機三台、スキャナー三台、二〇インチTV八台、ビデオデッキ八台、CDラジカセ十台、ホワイトボード十台、プロジェクター七台、プロジェクター用スクリーン二十五台を購入した。機材はヴェルゲイロ、サンジョアキン、ピニェイロスの三校にそれぞれ配置された。
 引渡式には関係者約三十人が出席した。はじめに赤阪総領事が「常日頃、連盟の活躍を見ていて役に立ちたいと思っていた。今後も模範になるような立派な活動を願っている」とあいさつ。上原会長が、「私たちにとっては、金額よりも大きな意味がある。連盟は、かつて難しい時期を過ごしたが、みなさんの協力によって存続できた。大いに機材を活用しましょう」と感謝の意を表した。続いて機材見学が行なわれ、コンピュータに映し出される日本語教材ソフトに出席者らは食い入るように見ていた。
 同校で日本語を教える加藤リジア恵さんは、「コンピュータがあれば、田舎でもどこでも勉強ができる。生徒たちにコンピュータで日本語を打つ練習もさせたい」と笑顔。今後、メーリングリスト作成や日本の大学生らとのインターネット交流なども計画しており、機材活用に意気込みを見せた。

image_print