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コラム 樹海


 北朝鮮の「万景峰」号が出港を中止するのニュースは日本を沸かせに沸かせた。計画では北朝鮮の元山港から新潟西港に入港する予定だったけれども「(日本の)厳戒で航行不能」となったのが中止の理由だと「北」は言うけれども、これは日本の入港阻止作戦が巧を奏したと見たい。万景峰号は以前から大型工作船の疑いがあり「不正の温床」とされていた▼日本側は既に同船が軍事ソナーの装備を確認してもいる。北朝鮮を脱出した技術者は米上院で「ミサイル開発の部品は日本から万景峰号が運んだ」とも証言しているし、疑えば切りがないほどに疑惑が重なる。通貨偽造、麻薬密輸の事実もあるなど「北」の行動には理解不能なものが多すぎる。日本からの不正送金の問題もあるし、拉致を忘れる事もできない▼国交関係はないのだが、北朝鮮から日本に来る船舶は年間で一千四百隻を超えている。魚介類やマツタケなどを「北」から運び、日本からは衣類や中古車などを積載して帰る。だが、日本側の税関職員が手薄なために検査が十分ではなく、軍事用品に転用可能な機械類が密輸されている可能性も指摘されるなど、不透明な部分が沢山あることにも注意したい▼もっとはっきり書けば、日本は北朝鮮に対して「甘さ」が目立ち過ぎた。旧社会党の力もながら故・金丸信氏に代表される自民党内にも北朝鮮寄りの人がかなり多い。これらの勢力が、政府の行動を鈍らせたのは否定できない。これからは、こんな卑屈な姿勢を廃して正々堂々と「北」に対したい。 (遯)

03/06/12

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