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上塚翁が見守る公園で日系社会の将来を議論

プロミッソンを象徴する記念碑の前で参加者が記念撮影

プロミッソンを象徴する記念碑の前で参加者が記念撮影

 笠戸丸から20年後の1928年8月31日に、入植10周年を記念して建てられたプロミッソン入植記念碑。そのすぐ下で、『第3回サンパウロ州日系地方団体代表者の集い』一行は真剣に日系社会の将来を議論した。その場所は2年後の移民110周年で、皇室をお迎えして記念式典をするかもしれない候補地でもある▼集いの中で、ノロエステ連合の白石一資元会長(二世)は皇室をお迎えすることについて、「連合の本部はアラサツーバ。本部会館をキレイに改修してそこにお迎えし、市内のサッカー場などを借りて式典会場するのが筋では」との論をのべた。たしかに本部はアラサツーバだが、必ずしもそうではないと思う▼ノロエステ線に皇室をお迎えしてお祝いしようというのは、「上塚植民地開設100周年」が110周年と同時にあるから――という部分が大きい。それに、来て頂けるのであれば、やはり〝移住の現場〟を見ていただきたい。プロミッソンは昨年の平野植民地百周年に続いて、ノロエステ線最古の集団地の一つであり、しかも〝移民の父〟と慕われる人物が作った▼そもそもノロエステ内部で異論がある状態は良くない。その種の不和があることが広まれば、皇室のご訪問は確実に遠のく。早々にじっくりと話し合い、安永信一(三世)現会長に世代交代した意義を再考し、全員一致でお迎えする態勢を整えたい▼白石さんは「ご訪問いただくなら、歓迎式典は4、500人という訳には行かない。最低でも3千人以上集めないと…。それがプロミッソンでできるか不安がある」と語っていた。3千人どころか1、2万人集まった方がいい。それだけの人数分のトイレ、駐車場、食事の準備、雨の備えなどが必要だ。それができないなら早々にお手上げした方が良い▼プロミッソンで生まれ育ち、今も住む安永重郎さん(85)も「皇室においでいただきたいのは山々だが、受け入れ準備は容易ではない。特別な責任がある」と慎重に言葉をえらぶ▼とはいえ、安永現会長は「プロミッソン市長は『市を挙げて協力する』と言っている。来年からの新市長も同様だ。受け入れ態勢は日系団体というよりも、市が中心になってやっていくことになる」という。それなら十分に可能だ。ただし日系人がしっかりと祭典委員会で重責を担う必要がある▼プロミッソンだけでなくノロエステ全体の日系団体、政治家が協力するのは当然として、『第3回サンパウロ州日系地方団体代表者の集い』のような支援組織が加勢して動員をかけ、パウリスタ線、ソロカバナ線、聖南西、サンパウロ市近郊からも、式典にバスで続々と乗りつける態勢を作る必要がある。そんなネットワークを作っていくこと自体が、地方文協の活性化につながる。明確な目標をもってお迎えする態勢が作れれば、数万人動員も夢ではないし、〝地方文協の絆強化〟という「心の遺産」を生む▼日系人だけで祝うのではなく、Undokaiのようにブラジル人住民が多数参加すれば1、2万人動員も夢ではない。入植百周年という地域に根差した地区だからこそ、それは可能になるのではないか。事実、パラナ州は百周年祭典で7万人を集めた▼「移民のふるさと」ノロエステだからこそ、そこを起点にしたサンパウロ州日系社会の再編のキッカケを作りたい。〝生みの苦しみ〟を通して世代交代が行われ、地方日系社会の再生につながる。5月の『集い』までに式典候補地を絞り込み、次回では大量動員に向けた具体的な話し合いが行われることが望ましい。その時点では本番1年前、本当に目前だ▼今回の集い会場のすぐ下にある運動場の左奥には、かつて上塚翁の住居があった。当日はポカポカした小春日和の晴天に恵まれ、まるで上塚翁が天上から、ほほ笑みながら見守っているかのようだった。(深)

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