ホーム | 連載 | 2003年 | 本紙記者がのぞいた=亜国日系社会は今 | 本紙記者がのぞいた=亜国日系社会は今―3―=市民の憩いの場 日本庭園=積極的にイベント開催

本紙記者がのぞいた=亜国日系社会は今―3―=市民の憩いの場 日本庭園=積極的にイベント開催

6月28日(土)

 亜日本文化財団(コサカ・カズモリ会長)は七日午前十時から、市内パレルモ地区にある日本庭園で「第一回秋祭り」を開催した。
 晴天も手伝ってか、関係者の予想を大きく上回る二千五百人以上の来場者を迎え、ポルテーニョ(ブエノスアイレスっ子)たちが、日本文化に触れる一日となった。
 茶道や空手、太鼓など一般的に知られた日本の伝統芸能などに加え、目立ったのは日系、韓国系などのDJによるテクノ音楽など。 さらにアルゼンチン人バンドによる日本アニメ音楽の演奏も人気を集めた。
 同庭園のコーディネーターを務める岸本綾子さんによれば「(コサカ会長などの)理事たちは若者たちの興味を引きつけるイベント作りを意識している」という。
 二〇〇一年に会長に就任したコサカ会長は日本文化をアルゼンチンに広めることに積極的で、各季節に行う祭りの開催やイベントを多数企画している。
 今後の予定としては七月には「日本食祭り」、八月には『どんど』(一月十五日の少正月に門松やしめ縄を集めて焚く火祭)なども行う「冬祭り」、十一月には「盆栽祭り」や「春祭り」と目白押しだ。 
 動物園や植物園、公園なども多い閑静な高級住宅街パレルモ地区に日本庭園はある。広い敷地内には、美味しい日本食が食べられると評判のレストランや相撲や空手などの演武を行う野外道場、移民の碑もある。
 数百の色とりどりの錦鯉が泳ぐ池には、橋がかけられており、家族連れや恋人同士の姿が多く見られる。 石灯篭や松なども随所に見られ、日本情緒溢れる景観は市民を異文化の旅へと誘うだろう。
 前出の岸本コーディネーターは「ブラジルなどに公演などに訪れる日本のアーティストや音楽家にも、もっとアルゼンチンにも立ち寄ってもらえるよう、これから交渉していくつもり。アルゼンチン人の日本文化に対する興味は高く、(両者共に)きっと喜んでもらえるはず」とその意気込みを話す。 
 この南米最大の日本庭園、ブエノスアイレス市民にとっては、誰もが一度は訪れたことがある場所だという。この市民の憩いの場がイベントなどを通じ、さらに日本文化を知る場所と発展していくことを祈りたい。  
     ■
 ブエノスアイレス日本庭園は六七年に皇太子殿下(現天皇陛下)が初来亜された時にイナウグラソンを行っている。その後、茶室の建築や庭園の整備を重ね、現在の形になった。九八年には天皇陛下や故高円宮殿下を迎え、様々なイベントを催した。
(堀江剛司記者)

■本紙記者がのぞいた=亜国日系社会は今―1―アルゼンチンの仙人=人里離れて40年=75歳の広島県人=人生の切ない終着駅

■本紙記者がのぞいた=亜国日系社会は今―2―同朋救済や移民史編纂=在亜日系団体連合会=日系社会の調整役

■本紙記者がのぞいた=亜国日系社会は今―3―市民の憩いの場 日本庭園=積極的にイベント開催

■本紙記者がのぞいた=亜国日系社会は今―4―アナウンサー・俳優・編集長=三足のわらじ 高木さん=健啖と饒舌は老いを知らず

■本紙記者がのぞいた=亜国日系社会は今―終―亜国邦字紙最後の砦=相次ぐ他紙廃刊を超え

image_print

こちらの記事もどうぞ

  • 【日本移民の日2021年】《記者コラム》環境問題で岐路に立つブラジル=政権の監視緩和に厳しい声2021年6月23日 【日本移民の日2021年】《記者コラム》環境問題で岐路に立つブラジル=政権の監視緩和に厳しい声  6月18日はブラジル日本移民の日だが、国際的には5日の「国際環境デー」の方が知名度が高い。日本でも6月を環境月間としているが、ブラジルでは環境月間という見方はないようだ。この環境問題は、ボルソナロ大統領の言動が世界とのズレを生じていることで、注目を浴びている部分でもあ […]
  • 《ブラジル》2020年の外国投資62%減=コロナ禍の影響避けられず2021年6月22日 《ブラジル》2020年の外国投資62%減=コロナ禍の影響避けられず  21日に国際連合貿易開発会議(UNCTAD)が発表したデータにより、2020年のブラジルへの外国投資は62%も減少していたことが明らかになった。21日付現地サイトが報じている。  同会議のグローバル投資動向モニターによると、2020年のブラジルへの国外からの投資は250億ド […]
  • 《記者コラム》10回目のデフォルトの瀬戸際にいるアルゼンチン2021年6月22日 《記者コラム》10回目のデフォルトの瀬戸際にいるアルゼンチン  「メキシコ人はインディオから、ブラジル人は密林から、我々は船に乗ってヨーロッパから来た。私の名字、フェルアンデスはその証しだ」――アルゼンチンのアルベルト・フェルナンデス大統領は9日、スペインのペドロ・サンチェス首相を首都ブエノス・アレスに迎えて、そう問題発言をし、ブ […]
  • 援協=JICA助成金建設委員会設立=新規会員は順調に205人増2021年6月15日 援協=JICA助成金建設委員会設立=新規会員は順調に205人増  サンパウロ日伯援護協会(援協、税田パウロ清七会長)は5月27日10時から、リベルダーデ区にある援協本部ビル5階講堂で5月定例役員会を開催した。援協にこれまで尽力してきた堀井文夫氏、毛利連(もうりむらじ)氏、末吉ショウジ・アルマンド氏の3氏が5月中に亡くなり、1分間の黙 […]
  • 《ブラジル》最高裁でもコパ・アメリカ覆らず=13日から試合開催へ2021年6月12日 《ブラジル》最高裁でもコパ・アメリカ覆らず=13日から試合開催へ  10日、最高裁でサッカーのコパ・アメリカの開催をめぐる判事投票が行われ、賛成多数で開催されることが決まった。10、11日付現地紙、サイトが報じている。  今回のコパ・アメリカは、当初開催予定だったコロンビアとアルゼンチンが、デモによる治安悪化やコロナ禍の悪化のために […]