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コラム 樹海

 日本の人々は「金満国家・ニッポン」と外国から評され自信満々だったけれども、金庫を開けて見ると借金の証文が山積みの「大借金国」なことがわかった。金庫番である財務省によると今年三月末の国の借金(債務)は約七百兆円近い。このうち国債が五百兆円を突破し国民一人当たり五百二十五万円の借金だそうだ▼この金額がいかに大きいかは、国の予算と比べるとよくわかる。今はほぼ八十兆円規模なので国は国家予算の約九年分以上を借金している計算になる。国とは言えー借金には利子を付けて払わなくてはならない。よく言われるのだが、恐らく借金の支払いは子や孫にまで及ぶに違いない。国債発行残高が五百兆円を超えたのは初めてだし、これほどの大借金も初体験で過去最高ー▼それでも政治家らの借財体質は一向に改まりそうにもない。小泉首相は財政緊縮型ながら、この不況脱出のためにはと止む無く国債を発行する。ところが一方の実力者は、国債五十兆円で不景気を吹き飛ばせと威勢がいい。景気がよくなれば税収が増えて借金の負担など問題ではないという理論なのだが、ここはよほど慎重に構えないと危ないのではないか▼目下、当地でも人気の「草の根」とかの資金提供も、元は国の予算だし、日本は年に一兆円もの資金を使い外交官どのが「聖域」といい顔をしているけれども、このODAも見直した方がいい。幾らカネをやっても礼一つ言わない国もあるし、そんな一つ一つの積み重ねが借金大国から逃れる大切な手法であろうにー。    (遯)

03/07/03

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